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23 狙うものの未来




『○○財閥の現社長家が爆破され、全壊全焼という事件がありました。今、…』

テレビのニュースを聞き流しながら、白雪はパンをかじる。

「白雪、リンゴジャムいる?」

「うん」

狼が、差し出すリンゴジャムのビンを貰うとパンにぬる。

「…おいしい。」

「良かった、手作りだよー」

そう言ってにっこり笑う狼に、白雪は迷いもなくキスをする。「あ、ちょっと甘すぎた?」

口についたジャムをぺろりとなめ狼はつぶやく。その姿を見てしまった、桃はガシャーンと何かを床に落とす。

「いーやーぁぁあ!白雪が、白雪がっ!けがされたぁぁぁあ!」

「……」

その姿に照準をあわせた白雪は、安全装置をさっさと解除する。

「や、ちょ、白雪?!お、お兄ちゃんを撃たないで?!」

「…うるさい。桃兄は不死身、不死身…不死身?」


「あ、白雪学校!」

という、狼のことばで桃は命をとられずにすむ。かといっても、掟で家族間の殺しは禁忌だが。

「…狼、助かった。けど、それとこれとは別!白雪を汚すのは許せん!」

それを、華麗にスルーして狼は白雪の準備の手伝いのため白雪の後を追う。

「………俺、こんなキャラ?」





****




「あの、子。───売れそうだな」

怪しげな男は呟く。

その男の視線の先には、黒髪と透き通るほどの白い肌の持ち主の女子高生。

その子に気づかれぬように徐々に距離を縮める。その隣の男も同様にかつ、すこし離れて。




「……」ニヤリと男は笑うと、女子高生に襲いかかる。 

「………なっ?!」



「ねぇーおじさぁぁあん?うちのお嬢様襲わないでくれます?瞳孔開いちゃったじゃないですかーお嬢様」

襲いかかられそうになった、白雪と突如現れたメイド服の女性。

「ちょうど、人通りないんで、ねぇ?お嬢様ぁ」

2人の女性に銃口を向けられた男たちは目を見開いて膝をガクガクいわせる。その銃が本物だと分かるものだろう。

「掟、同業者でなくとも我が家を脅かすものは排除すること」

白雪は淡々と告げると、トリガーをひく。

「大丈夫、音なるべく抑えることできる」

ひいたあとに告げてみせる、なぜなら本当に音が鳴り響いていない。





「同業者も脅かすものも、家に狙われたものもすべて行きつく先は……一緒」




 

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