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2 音木白雪



「白雪ちゃぁーん!白雪ちゃん!」

とある豪邸には、女の叫び声が響く。かと言って、近所迷惑になるわけもない。なぜなら、防音はバッチリ。

「白雪ちゃん、この弾痕はなぁに?!」

うつくしい金色の長い髪、美しい青い瞳の美人は、とある人物を探した。

「なに、お母様」「あら、白雪ちゃん!」

と、そこに突如落ちてきた黒髪の美少女。

音木白雪おとぎしらゆき、高校2年生の17歳。

玄関の上は通り抜けていて3階からでも玄関が見えるつくりになっている。

この少女は、その3階から落ちてきたのだ。

「もう、白雪ちゃん?いつも言っているのにーどうしてここで撃っちゃうの?」

「迷いネズミ、いたから」「ネズミなら、もういるわ」

「泥棒、いたから」「そう、また入ったのねぇ・・・ほんと、やぁーねぇ」

そう、言うや否や扉の壁紙をべりべりっと剥す。

杜松ねず、あとはよろしくね」

「承知しました」突如、美人の横にたつ壮年の執事服を身にまとった男が現れる。灰色に染まった髪をなでつけた、その男はバッと壁紙を広げささっと張り付けた。弾痕が残る前の扉に元通り。

「お母様、仕事いってくる」「あら、そう?いってらっしゃい」

ヒラヒラ、手を振って彼女は部屋へと入る。

白雪は、階段へと歩を進めた。


そして、自室に入ると奥へ奥へと入り込む。

本棚の前にたつと、そっと一つの本を押す。

異質な音がなると、本棚が左右に割れる。その、先にあるのは彼女の秘密の部屋。

たくさんの銃が並べられたその部屋。その銃の中から白雪は数種類の銃を選びそばにあったアタッシュケースに収めていく。

「今日は、この子も持っていこう。」

そういって、つかむのは先ほど試し撃ちと称して泥棒の男を脅かしたあのリボルバーだ。



「行ってきます。」

白雪は、呟いて音木邸を後にする。

赤いフードつきのポンチョ。

膝上のスカート、ニーハイと、黒いブーツ。

そして、似合わぬアタッシュケースを片手に彼女は出かける。



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