表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/49

19 アリス




「やぁ、シンディ。僕と踊ってくれますか?」

イケメンな父は言う。

「まぁ!いつものことながら素敵よ・・・」

美人な母は、その手をそっと差し出して踊りを始める。

しかし、ここはパーティー会場でもなく殺人現場である。


「赤ずきん、行こうか」

苦笑を浮かべる狼の手をそっと握って白雪はその場所を離れる。

「いつものことながら、あんな場所で良く上手に踊れるよね。死体と死体の間をぬって」

「ん、器用だから」その一言で、白雪は終わらせる。

「ふふ、かわいーな赤ずきん」

ぎゅうと抱きしめる狼に嫌な顔をせずに白雪はそれに応える。

「ん、大好き。オオカミさん」

「んー俺は、愛してる」

そう、確認しあって次の場所へと向かう。

「今日は、いっぱいだね」

「いっぱい」

そう言って、狼は刀を研いで白雪は弾を確認しながら火薬などを拭きとり弾を補充。

「さ、いこ!」

そう言って、ビルの屋上から飛び降りる。

そこに、待機していた杜松の操縦するヘリへと飛び込む。

「お疲れ様でございます、お嬢様、狼様」

「旦那さまと、奥様は、いつもの通りで?」

隣にいた、メイド服の女性は白雪と狼に問いかける。

「そう。それと、久しぶり”アリス”」

「はーい、お嬢様お久しぶりでございますぅー!」

青いメイド服を着た、彼女のコードネームは”アリス”

本名は、有栖川ありすがわレナ。彼女は、白雪付きの侍女で白雪に多大な愛情を注ぐ。命より、白雪な彼女はいつも白雪に近づく男たちを排除してきた。最近は、狼がその仕事をしていたのは彼女が出張中だったからだ。

「で、どうだったの?」

「いつものとーりで、そろそろ飽きたから帰るといってましたよー」

「そう、騒々しくなるね。狼君」

「ん、そだね」


****

「お嬢様、私もひさびさによろしいでしょうか?」

「いいよ」

レナの申し込みに、応じる白雪。

「では、行ってまいりますね!杜松さん」

レナは、飛ぶヘリから飛び降りると地上の確認をする。

OK!とかかれた、カンペをこちらに見せる。

「狼君、いいみたい」

「ん、いつも思うけど、何を確認してるんだろうね?」

「さぁ?アリスは、いつもああだから」



そう言って、白雪と狼もヘリから飛び降りる。


「仕事のはじまりですねーお嬢様!私、お嬢様のために頑張りますよ!」

と元気いっぱいの彼女は、この後キレると手をつけられない。


****



「おい、貴様。お嬢様にその汚らしい手で触れようとしたな」

そう、低く呟いて青いメイド服の裾をチョコンと持つ。

ボトボトッと落ちてくるそれをさっとつかむと容赦なく放つ。

「セイヤッ!」

ドガーンという、爆音が響き渡りにこりとほほ笑むアリス。

「ふふふ、先ほど親指姫様から頂いた代物をよもやすぐに放つことになるとは・・・・不躾なものが多すぎますね!」

なるほど、あれはカグヤ特製の爆弾か。と白雪は、思う。

スカートを翻し太ももに装着したホルスターから白雪が以前あげた拳銃を構え、遠慮なしに撃つ。

「うれしいでしょーうれしいでしょー、お嬢様の銃で死ねるのは!」

甲高く笑う、アリス。あれは、キレている。相当にキレている。

「オオカミさん、帰ろう。出番なし」

「そーだね」


そういって、2人で家に帰る。

のちに、ほほをいっぱいいっぱいにふくらました、レナが「どーして、さきいかえるんですかー」と言いながら白雪の前に現れるだろう。



.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ