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18 罪つくりな姫




「ねぇねぇねぇ!音木さんと、お兄さんって、どういう関係なの?!」

「・・・・私の、兄じゃないよ。」

「え?」

学校に行けば、これだ。

あれを、みられていたらしい。

「私の、婿様です」しょうがないかと、ぽつりとつぶやいたその言葉は、その女子の驚き度を超えたらしく、叫んだ。

「ええええええええ!」

「・・・・・」

騒がしくて、周りも集まる。

「むむむむ、婿様って!」

「ん、」

「ちょちょちょ、え、簡単に言っちゃう?」

「聞かれたから」

「えー」



淡々とした、白雪は通常運行なのだ。


*****


「なぁ、知ってる?音木って、結婚してるらしいぜ」

「は?」

「さっき、女子たちが騒いでた。校門にたってた、イケメンが旦那らしい」


学校の男子たちは、落胆した。それはそうだ、あんなに美人な白雪はあこがれの的で、一度は彼女にしたいと思う人もいるだろう。



「そんなの、噂だろ?」

学校でも、一番人気といわれるイケメンが呟いた。

「俺が、落としてやる」

彼、佐崎ささきしょう

彼は、自分のステータスがあればイケると思ったのだろう。

さて、それはどうだろうか?



校門に立つのは、噂のイケメン。

「わぁ、イケメン!声かけよっかなー」

「バカ、あの人は音木さんの!」「うそ、あの人が・・・たしかに、お似合いかも」

女子たちが騒ぎたてる、その中心に弥獣的な笑みが良く似合うイケメンが立つ。



「・・・・あれが・・・ねぇ」

そう、呟いた彼の傍には、白雪が立っていたらしい。

「あ、狼くん。・・・・迎えに来なくても、良かったのに」

そう言いつつも、わずかに頬笑みを浮かべている姿を見てしまった。

「・・・」

彼は、一瞬で恋に落ちた。

『くそ、俺が落ちてどうする!!』


「狼くん、来てくれてありがとう」

いつも無表情を装着している、白雪が感情を表していることに、周りが驚きつつもほほえましく見守る。

そっと、狼が差し出した手をそっと握る。



「わーお似合いだなー」

たしかにと、彼は思ったが、まだ分らない。兄かもしれない。

婚約者かもしれない。まだ、学生だ。だから・・・



「あーあ、白雪ってば罪つくりだよね」

「?・・・なにが」

白雪は、分っていないようで首をしきりにかしげる。

「ほーんと、分らせてあげなきゃね?」

にやりと、笑みを深めると白雪の後方をちらりと見やる。

佐崎章がそこにいた。

見せつけるように、唇にキスを落とすと白雪はギュッと狼に抱きつく。

「・・・、狼君。急に、なに?」

「んーん、なぁーんにも?」



狼は、一人満足して帰路につく。

「そうだ、今日もこれから仕事だよ?大丈夫?」

「ん、ちゃんと整備も完璧にしてる。今日は、レボルバーの気分」

「そー、じゃぁとっておきの日本刀だしちゃおうかな?」

「刃こぼれするかも」

「だーいじょうぶ!」



2人の会話は、よく聞こえないけど、仲がいいところは見せつけられた。

でも、彼はあきらめないらしい。



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