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11 王とシンデレラ





「きゃははは、ほーんと容易すぎる・・・ねぇ、あねさま」

「なに、”親指姫”?」「あねさまは、すぐに死んだりしないよねぇ?」



少し、さびしそうに言う妹、かぐやの頭をぐりぐりなでると白雪は呟いた。

「ん、簡単に死なないよ。私には、”オオカミ”さんもいるし、”親指姫”もいる。それに、家族がいる。これからも、増えるでしょ」

「はい、そうです!」

「ん、行くよ」

そう言って、白雪はそばにいた狼の手を握る。もう片方で、かぐやとも握ると、駆けだす。



「”赤ずきん”、ここだよねー」

そう言って、狼はとある場所を指さして2人を見た。

「”オオカミ”さん、ここ。」

「ここ・・・・お母様も、お父様も?」

かぐやが呟くと、白雪は肯定するように頷いた。

「へぇ、珍しいね。そんなに、大勢?」

家族、5人での狩りは本当に珍しい。音木家にとって、たいていの仕事はパートナーと行うか一人が多い。

白雪は、専ら狼と一緒。ゆえに、童話”赤ずきん”シフトといつも呼ぶ。

かぐやも、今までは杜松とともに行動してきたが、もうそろそろ本来のパートナーのためにもと、一人で任務を遂行するようになってきた。

それが、今回は5人で行うというのだ。結構な大がかりで高難易の任務ということだろうか?



「”王”と”シンデレラ”」

大きなホールエントランスの片隅にいた、目立つ2人の男女。

「まぁ、”赤ずきん”今日は一段とかわいらしいわね」

そう言って、綺麗なお母様は白雪の肩をポンとたたく。

今日は、いつもの赤ずきんポンチョはしまいこんだ。今日は、赤いストールに自重した。さすがに、パーティーであれは目立つ。というか、ばれる。

「いつも、いつも、思うがセンスがいいな。”オオカミ”」

「ありがとうございます、”王”」

「ふふ、あなたもいつもに増して増しすぎて可愛いわね。さすがよ」

そう言って、お母様はかぐやをなでた。



お母様、通称”シンデレラ”いつも、靴には気を使っており、というか靴好き。ピンヒールが一番のお気に入りだ。

音木麗良おときれいらこれが、お母様の本名だ。

お父様、通称”王”。昔は、”王子”を名乗って?いたがそろそろ歳が王子というのが似合わなくなってきたところで今の通り名だ。

それでも、今でも王子が似合うひとだ。

両親ともども、美しいので子供も美しい子が生まれるのは当たり前というのだろうか?音木皇おときこうこれが、お父様の本名。



「さぁ、狩りの時間よ?」

お母様が呟く。パーティはまだ始まったばかり・・・・。





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