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10 親指姫




「完璧!」

にっこり、かわいらしい笑みを浮かべる小さな女の子。

チューリップと、月をモチーフにしたヘアピンに目が行く。

漆黒の髪色、切りそろえられた髪は、腰までつくほどに長く、前髪は綺麗に眉下。横髪は、あごの長さで切り揃っている。

小さく、かわいらしい顔立ちの彼女はとある場所で一人立っていた。

「ふふふふ、今度はちょっと試行錯誤したからね!疲れたー、あ、時間!」



少女は、歌を口ずさむ。

「 12時を示す針 鳴り響く不吉な音 さぁ、時間 」

少女は、ポシェットからとあるスイッチを取り出すと、”誤作動制御”を外す。両手にもち、親指をボタンと思わしき所にそっと親指をおく。

目の前の時計塔をじっと、見つめて12時が来るのを待つ。


「”作動せよ”ぽちっと、な!」

その掛け声とともに、親指をぐっと押す。少女の後方から爆発音が響いた。

後ろのビルのとある階は、すぐさま煙に包まれた。



「本当に、人って容易いのね」

そう少女は、呟いてまたにっこりと笑みを浮かべた。

「よーし、帰ってあねさまに褒めてもらわなくっちゃ!」


そういうと、少女は意気揚々と駆けだした。



「爆発、・・・・・また”メルヘン”か。証拠がないのが、その証拠だな」

その現場を見た者、そして闇社会を知る者はそうつぶやいた。

「カジノ事件に続き、まただ。今度は、”親指姫”か」



小さな小さな、少女はどこからか現れて爆発させていずこかに行く。

爆発があった所にはいつも小さな少女が時計をじっと見つめているのだそうな。それが、きっとメルヘンで異名は”親指姫”と噂されている。





「ただいま、あねさまー!」

「お帰り、かぐや」

白雪は、かわいい妹の頭をなでなでする。

「きゃぁーあねさまー」

ぎゅうぎゅう、白雪に抱きつく少女。彼女は、”親指姫”で有名な、

音木歌紅弥おとぎかぐや。彼女の愛称はかぐや姫。

学校では、かぐや姫で有名らしい。そんなかぐやは、姉っ子である。


歳の離れた妹、かぐやは小学4年生。といっても、暗殺の技はすさまじい。

ゆえに、”メルヘン”は恐れられるのだ。

「あ、おかえり。かぐちゃん」

そう、にっこり笑顔を張り付けながら狼は容赦なく白雪からかぐやを引っぺがす。

「やーにい様ー狼にい様のけちー」

「んー?白雪は俺のー」「けちー」



という、狼とかぐやのやり取りを総スルーして、白雪は自室へと戻るのだった。

「やーあねさまー!」「あ、白雪ー」

かぐやはぽつんとそこにおいてけぼりにされ、狼は白雪についていく。

「むー、いつも狼にい様ばかりー」



でも、両方大好きなかぐやなのであった。


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