第二章〜挑戦者
少しずつ書いてます。宜しく御願い申し上げます。
さて、開店初日。
日にち的には、これは偶然であるが、縁起良くも、7月7日の7並び。
『限界』という不吉の名のコンビニエンス・ストアの店頭に立ったのはオーナーであり店長の真臣と、アルバイトの左慈硝子のへたり。
硝子は地元の大学に一回生として通う学生アルバイトだ。体育会系のサークルに所属しており、肌の色も真っ黒に日焼けしていたし、全身の纏った筋肉の鎧が実に力強く、頼り甲斐かみありそうに見えた。
硝子がアルバイトに入ったのは彼女が大学に入学して後であったから、勤続年数にすれば、4ヶ月に満たなかった。
が、その活動的に見えるショートヘアの下に光る健康的な瞳や、血色の良い唇は、真臣のお気に入りとなるところであった。
「さあ、硝子クン。開店だ。頑張っていくよ」
真臣が声を張り上げると、
「はい。店長。初日はどんなお客様がおみえになるのでしょうね」
硝子も楽しげである。
意気揚々と真臣も応えた。
「我々は神様だ。無礼な客は蹴落としておくよ。なにしろ、客どもは他に行く店などないのだ。なにをされたってここで買い物するしか生きる道はないのだからな。お客様は神様などといえ迷信をぶち壊してやろう。我々のちからで、ね」
店名を示すロゴマークがバックライトに光り始めた。
御読みになって頂きまして、誠に有り難う御座いました。