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喫茶店を出た、約束の時間までもどう過ごそうかと老婦は少し迷った後、あの写真館に向かうことにした。
外は少し肌寒い、約束までの時間があるが写真館で待たせてもらうことにしようと決めた。
その前に老婦は、ベンチに座ると靴を変えることにした。
鞄から靴を取り出しと綺麗な靴に履き替えベンチから立ち上がる。
老婦は、歩き出すと、数分で写真館が見えてきた。
先ほど見たときは明かりがついていなかった写真館だが今はすでに写真館から明かりが窓から漏れている。
写真館の前に着くと、少し緊張しながらも扉を開くと、ドアに着いていた鐘が鳴る。
奥から若い女性がやって来る。
「朝日様ですね。お待ちしておりました」
女性が会釈をしてくれる。
「こんばんは、まだ少し時間があるのだけどここで待たせてもらってもいいかしら」
「もちろんですよ。こちらへどうぞ」
老婦は、テーブルと椅子がある部屋に案内される。
その椅子座ると、その後女性は、奥に戻ると茶と菓子を持ってきた。
「紅茶でも宜しいですか?」
「ええ、構わないわ。ありがとう」
紅茶を飲んだり茶菓子を食べて過ごしていたが、時間がありその時間まで、スタジオに飾られている写真などを見て時間になるまで過ごしていた。
老婦は、奥の方の椅子に座っている女性に尋ねてみることにした。
「ここは、どなたが始められたの?」
女性は、その質問に答える。
「この写真館は、私の祖父が始めた写真館です」
そんな風に質問したりしながら時間を過ごしていると、女性から話しかけてきた。
時刻は、夜の十一時。
老婦は、椅子に座ると女性は、戻る方法や注意事項の説明を詳しくしてくれた。
「まずは、あの椅子にお持ちになった写真と共に座っていただき、会いたい人を強く思い浮かべてください。
戻った際の注意事項ですが、自分が未来から来たことは言ってはいけません。会いたい人とともに戻ることはできません。ですから、未来を変えることは出来ません。戻れるのは零時から夜明が空けるまでの間です。宜しいですか?宜しければこの紙にサインをお願いします」
老婦は、ペンを持ち、紙にサインを書いていく。
女性は、その紙に目を通す。
「では、このプランの契約が成立したとして受理させていただきます」
「はい。お願いします」
時間が刻々と迫ってくる。
その間も緊張してしまう。
どんなことを話そうなど考えいる。
そして零時頃、老婦は、写真と共に椅子に座る。
「準備は宜しいでしょうか?」
「ええ、大丈夫です」
時計が、零時の鐘を鳴らす。
カーンカーン
「シャッター押します」
カシャ
すると、突然眩しい光が辺りを照らし、思わず目を閉じてしまう。