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約束の満月の夜がやってきた。


(舞そろそろ来るかな?)


そんなことを考えていたら、写真館のドアが開かれた。


そこには、いつもとは雰囲気が違う、少し緊張した様子の舞が立っていた。


「いらっしゃいませ、舞。もしかして、緊張してる?」


「まあね、だって何年ぶりの再会な訳だし、何を話そうかなとか色々考えたり…」


「まあ、そうだよね。まだ時間あるから、ゆっくり考えればいいよ」


「そうだね。ありがとう」


そういうと、茶と菓子をテーブルに並べ終えると、スタジオを出ていく。


舞には、1人過ごす時間が必要だと思ったからだ。


2階に上がり、時間になるまでやることがないので、本を読むことにした。


「そろそろかな」


携帯を見ると時間が夜の10時30分を示していた。


そろそろスタジオに戻ることにし、本を片付けた。


その後、機材の準備し終えると、時刻は夜の11時になっていた。


そろそろなので、舞に戻る際の注意事項を説明していく。


「まずは、あの椅子に持ってきた写真と共に座ってもらい、会いたい人を強く思い浮かべる。戻った時の注意事項で、自分が未来から来たことは言ってはいけない。会いたい人とともに戻ることもできない。だから、未来を変えることも出来ない。戻れるのは午前0時から夜明が空けるまでの間。準備はいい?よかったらこの紙にサインを書いて」


「うん」


頷くと、舞はペンを持ちサインを書く。 


舞が椅子に座り、写真を眺めている。


「この写真ね、唯一の一緒に撮ったり写真なんだ。この写真がなかったらもう1度会えなかったって考えると、あのとき少し勇気を出して、写真撮ってもらってよかったなぁ」


「そうだね」


時間が刻一刻と迫ってくる。


「そろそろ、時間だね。準備しようか」


「うん。また少し緊張してきた」


「舞なら大丈夫。きちんと気持ち伝えておいで。準備はいい?」


「うん。大丈夫」


「シャッターを押すよ」


カシャ


すると眩しい光が差し、舞は目を閉じたのでした。





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