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あれから数日、いつもと変わらない日々を過ごしていた。
あの後、色々考えて手作りのポスターを作ることにした。
都市伝説のサイトに書くか再度考えたが今回やめておくことにした。
ポスターの効果なのか少なからずだが効果があり、以前よりは来てくれる人も増えた気がする。
「撮ります」
今日は親友の舞が手伝いに来てくれている。
高校を卒業してから、舞は専門学校に行き、隣の町で独り暮しを始めたため以前よりは会う回数が減ってしまった。
「舞、今日は手伝いに来てくれて本当にありがとう」
「そんなことないよ。私も美夜の仕事している姿見たかったしね」
「は、恥ずかしい…」
小さい頃からの仲だからなんだか照れ臭い。
「もうそろそろお昼だし昼食の準備してくるね」
そう告げると舞は2階に上がっていく。
「ありがとうー」
そうこうしている内に残りの撮影を終える。
「ありがとうございました。またのご利用をお待ちしております」
片付けを始めようとしていると2階から舞の声がする。
「美夜、昼御飯出来たよ」
「今行くー」
残りの片付けは後にすることにした。
階段を上がり2階に行く。
テーブルにはチャーハンと中華スープが置かれていた。
「美味しそうに」
「まぁね、これでも自炊してますから。さぁ食べよう」
「うん、いただきます」
久しぶりにあったから積もる話もあって沢山のことを話した。
あの先輩が格好いいとか、バイト大変すぎーとか何とか、私が経験したことのないことを話している。
舞を見ると少し羨ましい気持ちにもなったりして…
「おいしかった、ごちそうさま」
「それはよかった」
お客さんも笑顔で帰ってくれたし、今日もミスなく終えることができて、前よりは成長しているのかな?
「実は舞が来るって言うから大山堂のケーキ買っておいたんだ」
「ほんと、食べたい!」
「食べよう、食べよう」
舞がこんなに喜んでくれるなんて思わなかったなぁ。
お皿に写すと、2人でケーキを食べ始める。
「どう美味しい?」
「うん、美味しい」
「昔ここに来たときも美夜のお祖父ちゃんここのケーキ買ってきてくれ、一緒に食べたよね」
「そうだね」
「懐かしいね」
「うん」
祖父の写真を見るといつもより幸せそうに見えた。