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地元に帰った俺は、5年ぶりの実家に向かう道を歩いていた。


正直今でも信じられない。


どんな顔で会えば良いのか…


さっきまで小さく見えていた家がどんどん大きくなっていく。


立ち止まり、引き返そうとする。


すると、後ろから声がする。


「ともくん…ともくん来てくれたんだ」


振り返ると、雪が立っていた。


「久しぶりだな、元気だったか?」


「うん。ともくんこそ、元気だった…?」


雪は躊躇いながらも口を開いた。


「ともくん、一緒に行こう。傍についてるから」


なかなか足が前にでない。

「大丈夫。行こう」


雪が俺の手を握り、歩き出す。


玄関近くには大勢の人たちがいる。


それだけ母は慕われていたのだろう。


みんなが驚いている顔が見える。


やっぱり来るんじゃなかった。


雪の顔を見ると、大丈夫そういってくれている。


仏壇の飾られた部屋に行くと、親父と姉貴がいた。


驚いた顔をしていた。


親父が立ち上がり、近づいてくる。


思わず身構えて、殴られるじゃないかと思った。

「ずっと連絡をせず心配していたんだぞ」


姉貴も立ち上がる。


「とも、よかった。ほんとに…よかった」


あの頃と違う親父をみて拍子抜けしてしまった。


「母さんのところに…」


親父から離れると母さんのもとに歩いていく。


「母さん…」


あの日みた面影はすっかり変わり果てていた。


顔が痩せて、あの頃の元気な頬ではなくなっていた。


「ごめん、母さん。こんなに遅くなって…ごめん」


俺はしばらくの間、傍を離れることが出来なかった。


だけど違った。


親父は優しく抱き締めてくれた。




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