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智之ともゆき、待ちなさい、智之」


「もう知らねぇよ」


母の言葉をしり目に、言葉を吐き捨て家を飛び出した。


その日は、たしか雨が降っていた気がする。


あれから5年の月日が経った。


携帯の着信音で目が覚める。


携帯の画面を確かめると、知らない電話番号が表示さている。


不信に思いながらも応答ボタンを押す。


「久しぶり、ともくん」


聞き覚えのある声が聞こえてくる。


でも、誰だか思い出せない。


「どなたですか?」


ゆきだけど、覚えてる?」


「雪かぁ、久しぶり、用事でもあるのか?」


雪は、少し間を空けて、話し出した。


「実は、ともくんのお母さんが亡くなって、だからその電話したの、明後日がお通やだから…」


「母さんが、し、死んだのか…」


思わず携帯を下ろしてしまう。


雪が場所とか時間とか教えてくれているようだか、その声が小さく聞こえてくる。


悪い冗談を雪が言っているのではないかとさえ思える。


携帯を耳に当て直す。


「雪、悪い。メールで送ってくれるか」


雪は、智之の雰囲気を察したのか


「わかった。メールで送るね。待ってるから、ともくん」


電話が切れる。


しばらくの間、動くことが出来なかった。


いつの間にか空の色が暗くなり始めていた。


もうそんなに時間が経っていたなんて思わなかった。


随分前に送られてきていたメールを開く。


メールを確認し終えると、ゆっくりと立ち上がり支度を始める。


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