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私は今は写真館に来ている。
祖父亡き後、写真館をどうするか親戚や両親が悩んだでいた。
最期に祖父が残してくれた手紙に、もし、美夜がこの写真館を好きでいくれるのなら後を継いで欲しい、そう書かれていた。
最初は、沢山悩んだし、やっていけるのか不安だったけど、両親の助けも受けながら、祖父が大切にしてきたこの写真館を残したいと思うようになった。
写真の撮り方は、小さい頃から教わっていたし、これからもっと勉強もしていけば大変かも知れないけど頑張れるような気がしている。
ふと、祖母の写真が目にはいる、写真でしかみたことがない祖母。
もしかしたらこの方法を使えば過去に戻れるかもしれないと思い付いたのである。
携帯で次の満月の日を確かめる。1週間後が満月の日だった。
ノートによると会いたい人物が生まれる前に亡くなっていても自分の今の姿で会うことが出来るのだという。
掃除を終えると2階に上がっていく、これから実家を出てここで独り暮らしをしようとしている。
今日はもう遅いので明日にし、風呂に入ることにした。
全て終えると、布団を敷いた、祖父の匂いがして、少し悲しくなった。