ラプラスの悪魔
ラプラスの悪魔
もしもある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができ、かつもしもそれらのデータを解析できるだけの能力の知性が存在するとすれば、この知性にとっては、不確実なことは何もなくなり、その目には未来も(過去同様に)全て見えているであろう。 —『確率の解析的理論』1812年
目が覚めると転生先の少年の精神と融合してしまう。体の自由が効かず言葉も発せれない。しかし、何かが見える。
自由の中に宿る決意の炎。少年の運命とは
もしもある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができ、かつもしもそれらのデータを解析できるだけの能力の知性が存在するとすれば、この知性にとっては、不確実なことは何もなくなり、その目には未来も(過去同様に)全て見えているであろう。 —『確率の解析的理論』1812年
「やはり寝る前に見る哲学の動画は興味深い」
そう呟く俺の名前は・・・
最近、仕事場と家の行き来、風呂に入り飯を食う、そんな日常を過ごしている。
新しいことはほとんどない。強いて言えば、新人の社会人が入社してきたことだ。
さてと、動画を見ながらゆっくり寝落ちしますか・・・
明日も出社し、適度に過ごしていこう。これは、確定事項。明日という名の「未来」だ。
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ピエール=シモン・ラプラス(1749年3月23日 - 1827年3月5日)は、フランスの数学者・物理学者・天文学者。「天体力学概論」(と「確率論の解析理論」という名著を残した。 ーwikipedia参照
眩しい朝日、鳥の鳴き声、ふかふかのベッドから降り、朝食を用意する。しかし、やけに体が軽いな。寝落ちの性能は伊達じゃないな。一昨日のヤクルト2億も飲んだからか?
いや違う、何か違う。圧倒的な違い。それは部屋の間取りだ。体とかの問題じゃない。都心1LDKの部屋に住んでいるはずの俺がなぜ、木でできた家にいるんだ。それに、隣の部屋から音がする。
「起きたのね!さぁご飯にしましょう!」
いや誰だよ。なんだこの人は、いきなり。
「うん!すぐきます!お母様!」
"言ってない"
なぜだ、体が言うことを聞いてくれない。俺の発したい言葉も言えない。自由に体が動いてくれない。なんだ、この世界。地球ではない。それは母親を見た時から分かりきっていた。なぜなら、いや直接的な表現で言うなら耳が長い。それに、うっすらと羽が見える。朝の日差しに当たっていたからだろうか。
俺?の体はベッドから立ち上がり、母親と対面に座る。そして朝食を食べ始める。日本でいうところのパンだ。しかし、食感が少し違う。小麦というほどもっちりしていない。かと言って不味くもない。だが口に合わない言い難い味をしている。
「やはり、お母様の焼いたグリフェゴールは美味しいですね!」
言いずらいだろその名前!
「嬉しい!まだまだ沢山あるからどんどん食べてね!」
ここでまた違和感を感じる。体の言うことは聞かないのに嗅覚や味覚といった五感が存在している。どうすれば、体を自由に動かすことができるんだ。
動け!動け!動け!
うごけぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!!!!
ガシャコーン!
「どうしたの?大丈夫ですか?」
「ええ、水が気管に入ってしまって。」
動いていない。やはり動かない。なぜだ。
「じゃあそろそろお部屋に戻りますね、お母様。」
そう言うと俺の体は自分の部屋へと戻っていった。
そしてベッドに座りこう呟く。
「自由にさせてよ」
これは、とある少年の精神と融合してしまった男の
物語である
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自由意志による反論
ラプラスの悪魔をある種のコンピューターとして考え、人間には自由意志があると仮定した時、ラプラスの悪魔が提示した未来と反する行動を意図的に人間が行うことでラプラスの悪魔の未来を破綻させることができる。 wikipediaより
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