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[完結]王と青龍を抱く乙女  作者: 文近成季
第一部 第一章
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プロローグ

三年前、当時王太子だったリーンは、ルトリケ国王に即位したばかりの父キーツから告げられた。


「リーン、貴様の婚約は破談となった」


あまりにも突然のことだった。


「っ、なぜですかっ!カラチロ帝国からはなんと?」

「ふんっ」


リーンが問うても、父王は鼻で笑うのみ。


(トゥルーシナ…)


桃色がかった金色の髪、翡翠色の瞳。愛らしい微笑みが目に浮かぶ。


十七歳だったリーンは黙って自室に戻り、こぶしを思い切り壁に突き当てるしかなかった。


そのあとすぐ、父王は隣国レキラタに侵攻した。

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