4話
雪弥は佐伯涼と、市川慎也と共にナンパ通りへと来ていた。
若者が多く、ナンパ待ちをしている人が多いと言われている場所だった。
若者が待ち合わせや、ただの人待ちをすると言われている場所で、人を探す
のにはもってこいの場所だった。
3人で学校が終わった後でうろうろしていると、歳上の女性から声かけられた。
「君たち暇なの?」
「はい!暇です!お姉さんたちも、暇なんですか〜」
市川は張り切って声を出した。
女性3人、こっちも3人。
ちょうど人数的にはピッタリと合う!
「なら、遊びにいこっか?」
「はい!勿論俺たち暇だったので、どこ行きますか?」
「そうね〜個室がいいわね〜」
人差し指を唇に当てると色っぽい目で見上げられるとドキッとしてしまう。
市川の視線がホテル街へと視線が行くと、女性達は笑い出したのだった。
「冗談よ!カラオケでも行こうか?君たち未成年でしょ?入れないわよ〜」
「そ、そうっすね…あはははっ…」
少し残念そうにする市川を他所に佐伯はため息を吐いた。
「慎也がっつきすぎ…」
「しょ、しょーがないだろ!あんな色っぽいお姉さんから言われたら!」
「色っぽいってあたしの事かい?嬉しいね〜。」
真横に顔がくるとドキドキが止まらず顔を真っ赤にしていた。
それに引き換え、雪弥と涼はそこまで緊張はしていなかった。
「まぁ〜綺麗と言ってもな〜俺のが綺麗だし?」
「はいはい、雪弥は顔だけはいいもんな〜」
それをいう涼も女顔のせいか女子からの人気は高い。
誰とも付き合わないし、興味もないという感じなのが余計に女子の関心を
誘っていた。
勿論雪弥も人気は高いが、誰とでも遊びに行くし、関係も簡単に持つが、
特定の相手とは付き合わないので一夜限りとさえ言われている。
「お前らな〜!ナルシストにも程があるだろ!」
「間違ってはないだろ?」
「あぁ、平均値の慎也とは違うんだよ!」
吐き捨てられた言葉に少し落ち込む。
「まぁまぁ、今日は思いっきり歌って発散しましょ!」
カラオケに行くと各々好きな歌を入れると歌いだした。
ピロンッと音がして、雪弥がスマホを見ると孝哉からのメッセージが届い
ていた。
『母さんの機嫌が悪いから早く帰ってきて』
こんな言葉を聞けば余計に寝静まるまで帰りたくなくなった。
「なんだ?時間か?」
「いや、今日は遅くまでいてもいいってさ!」
「おっ!いいね〜」
慎也は雪弥の肩に手を置くとマイクを渡してくる。
「一緒に歌おうぜ!」
「仕方ないな〜」
支払いはお姉さん達が払ってくれたのでお財布は痛まない。
しかも香水の匂いに酔ったのか慎也の目線はずっとお姉さん達の胸に
釘付けだった。
「今日は楽しかった〜君たち結構いい声してるわね〜。よかったら連絡
先交換しない?」
お姉さん達もその気なのかお互い交換をして今日は別れた。
「歳上の余裕っていいな〜〜〜。マジ最高!」
「あんまり浮かれるなよ?どーせ相手にされねーよ!」
「だよな〜」
お互い、0時を回ろうとするのを確認しながら家に帰ったのだった。