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 店長が引いてきたトレーラーにユニークの残骸を載せるため、機体に乗り込みながら店長と作業を行いながら、どのようにして俺がこのユニークを倒したかについて熱弁を振るっていると店長から移動先はドックでいいのかと質問が飛んできた。

「ドック以外に持って行ける場所、俺はしらねえよ」

「そいつは、宝の持ち腐れになるんじゃあねえか?こいつの、フレーム、パーツ一つとっても欲しがる奴なんざごまんといらあ」

「それは無理、どう取引したって目つけられるのは俺じゃないか。面倒ごとは御免被る」

「そいつはわかるが、当てが有る訳でもねえんだろう。どうするつもりだ?」

「そこが、一番の問題点だよ」言いながら、どうするのが良いか考えながらフレームの問題についても考える。

さすがに、フレームを新規作成という訳にもいかないだろう。もう一度、ヨハンネス氏とコンタクトを取るにも借りを作りたくない奴と交渉しなくてはならなくなる。前回の時は、それで散々な目にあった以上借りは絶対に作りたくない。

「まあ、なんにせよ今日は時間も遅いし明日また考えるよ店長」

ユニークMOBの探索に加え戦闘、戦闘後の片づけまで含めかなりの時間がたっており、時間はもう深夜をとうに超えていた。

「了解だ、とりあえず目立たないようにドックまでさっさと移動しちまうぞ」

「本当に店長がいて助かったよ」

「もらった分の仕事はきっちりとやるのが俺の信条だからな」

「本当に助かるよ」と店長と会話をしながらドックへの移動を行おうとしたとき、レーダーがこちらに近づいてくる機体に反応を示した。

「げ、まじかよ」

「どうした」

「こっちに一機近づいてきている奴がいやがる。なんで、こんな時間にこんなとこ来る奴がいるってんだ」と舌打ちをしながらどうするか考える。

「ユニークの話を聞いて見に来た奴か?アナウンスが流れたとはいえ、何処という発言がなかったしな。それで慌てて見に来たランカーかもしれないな。どちらにしろ、ここで見つかると面倒だな。店長、遠回りになるが迂回してドックまで行こう」

「あーそれなんだがな坊主」

「なんだよ」

「すまん。俺にも怖いものはあるってことだ」

「はあ?突然なに言ってんだよ」

接近してきた機体が徐々に視界でとらえられるようになってきた。

「おいおい、冗談だろう・・・」

接近してきていた機体は俺の目の前で止まった。

機体色は紅色、重装と呼べるほどに厚い装甲、過度なまでの各種武装を付けた重装二脚人型機動兵器がそこにはいた。

こんな、目立つ機体を操縦しているプレイヤーは俺にとって一人しか心当たりがない。

あいつとは無理矢理にフレンドを結ばされたが、フレンド機能では俺がいる場所なんて知る機能はなかったはずだ。ともすれば、情報の漏洩場所は一人しかいない。

「だからさっき謝ってきたのかああああ!!ふざけんなあああ店長!!」

「だからさっき謝ったじゃあねえか。それに客としてはあっちのほうが上客だ」と開き直る店長。

「久しぶりだねファクト。前にあった時とは、機体が少し違っているようだね」と鈴を転がすような声が、機体のスピーカーを通して聞こえてくる。

「あーなんだ久しぶりだな。お前も元気そうでよかったな」

「お前?」

「エリアノーラも元気そうで何よりだ。」

まずい、すっかり忘れていたが奴は名前以外の呼び方で呼ぶと極端に機嫌が悪くなるのだった。

「もう、エリアでいいっていつも言ってるのにファクトっていつもそうだよね」とすねたような声をだすエリアノーラに「ははは」と乾いた笑い声を出しながら、エリアノーラをどうやってやり過ごすか考える。

「でも、やっぱりファクトってやっぱりすごいよね」

「なんのことかな?」

何がすごいだ冗談じゃねえ、お前のほうがすごい奴じゃないかと考えていると

「ファクトがユニークを倒したんでしょ?」と当たり前であるかのように聞いてきた。

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