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第110話 最終決戦?アンジェラVSパメラ 1

 昼休み―


私達5人は、気分を変えていつもの学生食堂では無くカフェテラスに来て食事をしていた。


「全く…パメラの奴…絶っ対に許さないんだから…!」


ペリーヌは余程腹に据えかねているのか、貴族令嬢らしからぬ言葉遣いで憤りながらバゲットを食べている。


「本当にペリーヌさんの言う通りです。パメラって本当に最低な人間ですよ!」


一番被害に遭っていた?シビルもカンカンに怒っている。


「馬鹿な女って思っていたけど…やっぱり本当にお馬鹿だったのね。パメラって」


「本当、退学になってくれて清々したわ」


グレタとイレーヌも口々に言う。

ちなみに、パメラは最初に警察に捕まった時にあっさり退学処分を受けていた。



「それで?アンジェラ。これからどうするつもりなの?」


ペリーヌが私を見た。


「ええ。取りあえず授業が終わった後すぐに噴水公園広場に行ってみるわ」


私の言葉にグレタが質問してきた。


「でも…大丈夫でしょうか?パメラの店は午後1時からですよね?授業が終わるのは午後3時。広場に到着するのはどんなに早くても3時半は過ぎると思います。その間に全ての商品が売れてしまったりしたらどうするのですか?パメラはいなくなっている可能性がありますよ?」


「その事なのだけど…パメラが私の店の商品を盗んで売りに出すのは、売上金を自分の物にするのが目的では無いと思うのよ。だって彼女の背後にはニコラスと彼の母親がついているのだから。お金には困っていないはずよ」


「確かに言われてみればそうよね?ニコラスの家は伯爵家で、大金持ちだもの」


ペリーヌは面白くなさげに言う。


「となると、パメラの目的は…ただ単にアンジェラさんに嫌がらせをする為だけって事ですよね?」


「ええ、そうよ。ただそれだけの為に…仮にも出所してきたばかりの身で、また新たな犯罪を犯したのよ。パメラは」


シビルの言葉に私は続けた。


「十分な窃盗罪ですよね?それどころか勝手に売りさばいて売上金も不当に手に入れれば詐欺罪にもなるのじゃないですか?」


イレーヌが興奮気味に言う。


「ええ、そうよ。でも愚かなパメラは絶対に品物を盗んだ事がバレないと思ってるのでしょうね。だから盗品を堂々と売るのよ。…いいえ、それだけじゃない。多分パメラの本当の目的は私と対決して打ち負かすのが目的に決まっているわ。午後1時から品物を売りに出す事になっているけど…多分店舗には半分程しか商品を並べないのじゃないかしら?」


私はパメラの行動パターンをよく知っている。何しろ、ニコラスと許嫁関係が成立した頃から、ありとあらゆる嫌がらせをされて来たのだ。だから彼女がどんな事を考えているのかある程度は察しがつく。


「え?アンジェラさんから盗んだ商品を半分だけ売るって事ですか?」


シビルが首を傾げる。


「ええ」


「でも一体何の為に?」


ペリーヌが質問してきた。


「それはね、品物が全部売れてしまったら困るからよ。恐らくパメラの目的は私がパメラの商品を見て、泥棒呼ばわりするのを狙っているのよ。今朝、多くの学生達がこのビラを持っていたわ。学校の近くの商店街でビラを配っていたからでしょう?」


「ええ、そうよ。馬車で商店街を通っていた時にビラを配っている人たちがいたの。それで馬車を止めてビラを貰ったの」


「私のクラスでもビラを貰っている人たちがいたわ。きっとパメラはこの学園の生徒達にお客として来てもらいたいのでしょうね。そして彼らの前で私に恥をかかせてやろうと思っているのよ」


「どういう事なのでしょうか?」


まだ状況を把握できていないシビルが声を掛けて来た。


「つまり、パメラは私が同じ学園の生徒達の前で、泥棒呼ばわりする状況を作り上げようとしていると思うのよ。その上で、自分が盗んだ証拠でもあるのかと言ってくるつもりでしょうね。恐らくパメラは私から責めたてられる哀れな人間を演じて、他の学生達の同情を買うつもりよ」


本当に、パメラは悪知恵だけは働く。


けれど今回ばかりは私の手のひらで踊って貰う事になるのだ。


待っていなさい、パメラ。


今度こそ…貴女を完璧に破滅させてあげる。


私は心の中でほくそ笑んだ―。



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