31.嘘の理由、そして金髪の女の子
私情により長らく投稿出来ずにすみませんでした。少しだけ自分に余裕が出来始めたので、少しずつですが頑張って執筆致しますので、今後とも宜しくお願いします。
庭園を抜け、再び城内へと入った私達はヴァルト陛下が用意した来客用の部屋へと向かった。
(何だか色々疲れたわね……)
少し肩の力が抜けたところで安堵する。
先程の城内は骨董品が沢山あって煌びやかとしていたが、ここの城内は骨董品等はそう飾っておらず、その代わりに絵画が等間隔に飾られて、少し落ち着いた城内であった。
暫く絵画を横目に歩いていると、私達の泊まる部屋へと着いた。
ジースさんがドアを開けてくれて、私達は中へと入った。部屋の中には既にティナとアレク団長がいて、荷解きも既に終わらせていた。
「殿下にカリン様、紅茶のご用意を致しましたのでどうぞお掛けになってください」
ティナはアンティーク調のポットを持ち、椅子に掛ける様に促す。
私と王子が椅子に掛けるとティナがコップに紅茶を注ぐ。真ん中には焼き菓子が置いてあった。
王子はいつもの様に足を組み、紅茶の入ったカップに口付ける。
(相変わらず絵になるわね)
口が悪いとはいえ、イケメンには変わり無い。偉そうな態度を取っても魅入ってしまう。
そんな風に考えながら盗み見ていると、不意に目が合ってしまった。
「なんだ?」
「えっ、あっ、えっと……」
不意打ち過ぎて動揺する。
(私が魅入ってどうするのよ! バカァ!)
どうにか誤魔化そうと考える。
そして、さっきヴァルト陛下に嘘の内容を話した経緯を思い出した。
「そっ、そう言えばどうしてあの時、ヴァルト陛下に嘘を言ったりしたの?」
何か理由があると思って聞かない様にしていたが、何だか気になり、聞いてみる事にした。正直答えてくれるか分からなかったが、意外にも簡単に答えてくれた。
「本当の事を話したら、お前の持ってるその本の事も説明しなければならないからだ。その本は本来存在しない物とされてる。そんな本が今手元にあるなんて事になったらどうなる? 下手したら戦争なんて事も起きるかもしれん」
「せっ、戦争!?」
「ああ、だからその本をやたら無闇に表に出すなよ。見られでもしたら命の保証はないと思え」
そう言って、また優雅に紅茶を啜った。
命の保証がないなんて話が出て来ると少し怖くなる。
「殿下、あまりカリンさんを脅す様な事仰らない方が宜しいですよ?」
「本当の事だろう」
「そうですが、言い方と言うものがあるでしょうに……。
すみませんね、カリンさん」
「……いいえ」
「ですがカリンさん、殿下の言う様にその本は我々以外の者には見せない様お願いしますね。カリンさんが思っている程、その本は表に出すのは危険な代物ですから」
「分かりました」
私はカバンの方を見詰める。あの中にはお爺ちゃんの本が仕舞われている。まさかそんな大事に成る程、大変な本だとは知らなかった。お爺ちゃんの本は大切だ。取られたり利用されらのは嫌である。ジースさんや王子の言う様に私は極力カバンの中から出さないと決めた。
「そう言えば殿下、クラリス様にはお会いしないのですか?」
ジースさんの唐突な問いに、王子は飲んでいた紅茶を吹きこぼす。ゲホゲホと咳き込みながらジースさんを睨み付けていた。
(クラリス様って誰だろ?)
聞かない名前に首を傾げる。
「……いい。こっちが出向かわなくても勝手に来るだろう」
少し面倒臭そうに話す。
王子の態度にジースさんは溜息を吐き、やれやれと首を振る。
一人話に着いて行けず、疑問符が飛び交っていると、廊下の方から何やら騒がしい事に気付いた。
「どうかしたんでしょうか?」
私は廊下がある方へ目を向ける。
何か走っている音の様な気がする。それもどんどんこっちに近付いている感じだ。
そんな様子に何故か王子は溜息を吐き、凄く嫌そうな顔をしていた。
そして走る音は私達のいる部屋の前でピタッと止まった。
ガチャッ!!!!
ドアは勢い良く開けられ、出て来たのは鮮やかなブルーのドレスを着た、ふわふわの金髪の女の子だった。




