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貯めていた新作を解き放ちまする!

ここは魔界…赤い月…黒い太陽、そして何とも言えぬ紫色の空。そして鳥と言うにはいささか凶暴すぎるものが飛んでいたりする世界である。その世界には悪魔と呼ばれるもの達が住んでいた。そんな世界を収めるのは


「魔王」


と呼ばれるものである。魔王は全ての欲を司る悪魔の中の悪魔である。そして魔王が司る欲を主に挙げるならば


「強欲」…この世の全てを欲する者


「怠惰」…この世の全てがどうでもいい者


「色欲」…この世の全ての快楽を欲する者


「傲慢」…自らがこの世の全ての頂点である者


「嫉妬」…この世の全てを妬み、憎む者


「憤怒」…この世の全てに怒る者


「虚飾」…この世の全てを信じず全てを欺く者


「暴食」…この世の全てを喰らう者

の8つに分けられる。


この8つのものにはそれぞれ「席」が用意され、それぞれの欲の頂点を飾っている...がしかし魔界の支配者である魔王の「席」はここ数百年空席のままだった。


彼らは『パーク』『スキル』を用いり戦争に身を興じている...


『パーク』とは生まれながらにしてもつ唯一無二の固有能力の事である。ものによっては解除しなければならないパークも存在する。

『スキル』は条件やスキル書を使う事で簡単に手に入るものである。特徴は誰にでも使え極めればパークより使い勝手が良い場合もある。更には物につける事も可能である。


こんなものを使って戦っているため国や村、街が滅ぼされるのは日常茶飯事...孤児が出ると奴隷商人達がこぞって攫いに来るのである。攫われたものは奴隷商人に最低限の世話をされ、買い手が見つかればそのまま買い手に運命の首輪を渡される。そこで死ぬかあるいは裕福な生活が出来るかはそのものの運次第


そしてここは戦争跡地...今まさに奴隷商人が品定め行っていた。


恰幅のいい豚の悪魔が孤児数人を集め、片目の眼鏡で一人一人何かを確認していた。


「...ほほぉ今回のはいい収穫だなァ...ブフゥ...」


とそこへ角が生えた悪魔がやってくる。角の悪魔は金色のネックレスやアクセサリーを沢山つけていた、腰には特徴的な鍵が複数付いている。


「おぉ?やってるなァ?どうよ今回は」


「おぉ!ダンナ!ダンナのお陰であっしはおう儲けでございます♪...しっかしダンナの方の調子は如何でしょうか?」


と豚の悪魔が聞くと角の悪魔は近くにあった瓦礫を素手で砕いた。様子を見るに腹の虫の居所が悪い様子だ


「...あの色ボケ糞野郎...次会ったら...んぁ?」


すると突然角の悪魔は豚の悪魔とは真逆の方向を見始める。豚の悪魔は謎に思い


「ダンナ?...どうかしたんですかい?」


「...孤児はこれが全部か?」


と角の悪魔は豚の悪魔に問い掛ける。


「あらかた見ましたが...こいつらだけですぜ?」


「それはほんとか?なら...そこにいる奴!!今出てくるなら殺さない!出て来るなら勘弁してやらァ!!」


と角の悪魔が潰れた家に向かって叫ぶ。すると潰れた家の隙間からガタガタと音がする。


「え?生き残りがいたのか...ダンナに言われなきゃ分からなかったなァ〜」


「......何か変だな...おい!聞いてるのか!?」


と角の悪魔が潰れた家に近づくと何やらあまり聞き覚えのない音が聞こえる。


ブチブチブチィ!ミチミチミチ...グチャグチャ...ピチャピチャ...


そして何やら嗅ぎなれた匂いがする...


「こりゃ...血の匂い?この血の匂いは..ここは戦場になってから随分経つはずだが」


と角の悪魔が潰れた家の隙間を除くとそこには何かを喰らっている輩がいる


...ハグハグ...ハグハグ...ハグハグ...ミチミチミチ......グチャグチャ......ゲプッ......


あたりは血の海と化していた。肉片が飛び散り異質な匂いが辺りを包む...喰らっている者の口元は血で濡れ何か口の隙間から垂れていた。


「お前...食べてんのか?...うげぇ...」


とそこへ豚の悪魔が気になり近づいてきた。


「ダンナ?何か居たんです...か...って!こいつ!こいつ!他の悪魔を喰ってますよ!?」


そうここに隠れていた孤児は他の悪魔を...さっきまで生きていた悪魔を喰らっている最中だった。


「おい、こいつを鑑定してみろ」


「え?は、はい!.........え?」


豚の悪魔が持っていた片目の眼鏡はそれを通して見たものの能力を見ることが出来る。


鑑定開始...鑑定完了


パーク:鑑定不能


スキル:鑑定結果・3


・暴食(暴食)

・ゲテモノ喰らい

狂喰(ごうばみ)


「はぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」


豚の悪魔は驚きのあまり腰を抜かしてしまった。

そんな様子を見た角の悪魔は豚の悪魔に問いかける。


「パーク持ちか?」


「それがですね...スキルは見れたんですが...パークが...鑑定不能だったんですよ...」


「な...?不能?お前のそれが?」


と角の悪魔は豚の悪魔の片目の眼鏡を指さすどうやら相当な良い代物だったらしい。


「...はい、それにスキルが...」


と角の悪魔へと片目の眼鏡を渡し、自らの目で見てもらう事にした。


「...ほほぉ...こんな奴が席候補とは」


と2人が会話していると目の前の悪魔喰いの悪魔は自らの食料が喰い終わったのかその場から離れようとする。

角の悪魔はそれを気づき止めようと肩に手を置くと、突然脳内に映像が流れた。


その映像は


角の悪魔の半身が無くなる映像だった。


思わず角の悪魔は飛び退く。体が残っている事をしっかりと確認し、安堵した。


「......今のは?」ボソ...


「ダンナ?どうしたんです?」


「...いや?何でもない...こいつを奴隷の中でも最高の待遇をさせておけ...わかったか?」


「え?は、はい!了解ですぜ?...と言いますがあいつは?」


「は?今ここに居た...あ!?居ねぇ!?」


いつの間にか悪魔喰いの悪魔は姿を消していたしかし...


「ダンナ?これを見てくだせい」


と豚の悪魔が指を指した所を見ると血の跡が続いている。角の悪魔は豚の悪魔を連れてそれを追うことにした。


「そういや...ダンナ?あいつは何の悪魔何でしょうかね?」


「...恐らく蝿だな、しかも初代の席に1番近いかもしれないな...あれはお前の元である程度育てたら中央都市の傭兵支部にでも売りつけろその道は俺が作る...あいつにゃ楽しませて貰いたいからな」


と角の悪魔は高笑いしながら血の跡をおっていく血の跡は近くにあった壊れた納屋の地下室へと続いていた。彼らはそのまま地下へと入り追っていく...そこで見たものは


沢山の悪魔の亡骸が山になっていてその真ん中で満足そうに寝ている蝿の悪魔だった。


豚の悪魔は思わずゲロった。


「汚ぇなァ...お前は外にでも出てろ」


「すみません...ダンナァ...オロロロロ......」


それもそのはずそこには食べられた魔物の残りカスと悪魔の亡骸は苦痛の表情を固められ山にされ辺りには異臭が漂っていた...そんな中角の悪魔はある物に気付く。


「なんだ...こりゃ...」


地下の壁に立てかけられている大きなカプセル。埃を被って中身がうっすらとしか見えないが中に何かが居る...角の悪魔は中に何が居るのかが無性に気になった。


彼は埃を拭き取り中を除くと中には液体が入っており何やら札が貼ってあった。札には何か書いてあったが古いものなのか上手く見えなかった。


〈実...台〉

〈失...作〉


「なんだこりゃ?実...台?...そういやこの文字...見覚えがあるな...そしてこのカプセル......そういやここの跡地は...と言う事はこれは」


と彼が考え事をしていると後ろから何かグシャグシャ、ペタペタと物音がする。後ろを振り返ると蝿の悪魔が目を覚まし彼に近づいていた。


「お前...まさか」


「...そ...に...ざわる...な」


「安心してくれ...俺はこいつを攫いはしない...が!お前のその能力に興味がある!お前の意志をなるべく優先するが...力づくでも良いなら連れてくぞ?」


「...れ...だ...じ...」


「...駄目だなこりゃ壊れてらァ...ん?」


と彼は蝿の悪魔の首元に目をやるとタグの様な物がぶら下がっている。そのタグにはカプセルと同じ様な物が書かれていた。


「やっぱりな...お前は元実験奴隷だったのかそこを俺たち席が戦争の地にしたから...って所か」


蝿の悪魔は何となくだが目の前の悪魔はカプセルに興味が無いことを知ると改めて考え何故ここに来たのだろうとキョトンとしていた。角の悪魔が言っている事を理解は出来ていない様子だった。


「...?」


「...あぁ〜...お前を、ここから、連れ出す、お前に、危害は、加えない...これにもな」


とカプセルを指さし身振り手振りで蝿の悪魔に伝えようとする。言葉は理解できていないが伝えたい事が少しばかり通じたのかゆっくりと角の悪魔へと近づく、しかしカプセルを持って行けと言っているかのようだった。


「あぁ〜...このカプセルはこの扉からでもいいか?まぁお前もこれに入ってもらうがな」


と角の悪魔は腰に着けていた鍵を空中へと刺し鍵を回すと突然扉が現れたのだがしかし蝿の悪魔は少し驚いたばかりであまり動じなかった。


「...肝座ってな、まぁいいか...おぉい!」


「...うひぃ...何でしょう?ダンナ」


「さっきの話はなしだ。俺がこいつ貰ってくぞ」


「ダンナが言うなら...あっしは問題ないですが...まさか...そのカプセルも?...悪い事は言わねぇ...ダンナやめ時な...それはもう」


「まて、言うな...こいつはまだ信じてんだよ」


と角の悪魔は蝿の悪魔を指さした。


「...ダンナは甘いですなァ...そのうちそいつも手駒にする気なんでしょ?」


と豚の悪魔が聞くと角の悪魔は豪快に笑い飛ばした...


「ガッハッハッ!!!確かに手駒にはしたいがお前も見ただろ?こいつのスキルを...こいつは席にする」


「...は?...はぁぁぁぁぁ!?ダンナ!?何を血迷って!?席を増やしゃダンナの面倒事が増えるだけですぜ?しかも!こんな壊れた奴が席になんてなれるかどうか...うぐ!」


と角の悪魔は豚の悪魔の口を手の平で覆い強引に黙らせた。


「まぁ待て...俺なりに考えがあるんだよ」


「うぐ...ふぁい、ふぁかぁりまひた」


「とまぁ...こいつはある程度育ったら学園にでも入れてみるけどな」


「...学園、あんなボンボンの集まりにですかい?噂じゃココ最近レベルが落ちてるって話じゃ」


「まぁ、こいつの壊れを治すにも席にさせるにもどの道入れなきゃならん...そこはどうにかする」


「...ダンナが良いならあっしはもうこれ以上言いません。それでは外にいる者を連れて帰るとしますぜ、またご贔屓に...「強欲の席」マモン様」


「おう、達者でな扉は既に開けてあるそこから帰りな」


「御意」


と豚の悪魔は一礼した後にその場を後にした。その後角の悪魔、本当の名前マモンは先程開けていた扉にカプセルを入れた後に蝿の悪魔は抱き抱えて扉の中に消えていった。


扉の先には大きな館の中に繋がっていた。使用人が沢山いる中マモンは帰宅早々に風呂を焚くように命じた後蝿の悪魔を大きな広間へと連れていった。広間に着くとカプセルに防御の魔法を施し結界を張った後使用人数人に守らせた。


そしてマモンは蝿の悪魔に言い放つ


「今から俺はお前の力がみたい...だから殺す気でかかってこい...じゃなきゃあれ」


と指さしたのはカプセルだった。そして


「壊す」


とマモンが言った途端蝿の悪魔周辺の雰囲気がどす黒く変貌を始めたのだ。言葉は通じぬが殺気等を感じ取りマモンを敵と認識した。

そして目の感じがガラリと変わる。先程までの目とは違い今の蝿の悪魔の目は


「...まるで...捕食者だな...鳥肌たってきた♪」


とマモンは闘いの喜びを止められずにいられなかった...マモンは準備に手に鍵をふたつ持ち両方とも開けた、すると中からは大きな鉈と大きなハルバードが出てくる。それを構えふたつをぶつけ合いまるで戦闘の合図かの用に音を鳴らしたのだった


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