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ダンジョンスキルで世界最強〜底辺貴族の成り上がり〜  作者: ナイト
第一章 -スキルの原理-
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2話 いざ教会へ!


「おい、2人ともどうしたんだよ?」


僕は意味が分からずメイとアヤを交互に見る。


「ほら、息を吸ってー吐いて」

「「ルカ(お兄様)は、黙ってて!」」

「はい、すみません」


メイとアヤの言葉で少ししょんぼりする僕。そんな事には気付かずメイとアヤの戦いは再び再開される。


「メイちゃん?さっきのもう一回言ってみて?」

「何度でも言ってやりますよ!このデカ牛!」


カチンッ!


(何かやばい効果音が聞こえてきたような)


僕は少し怖くなり、その場から一歩後退りをする。


「ほう?そんな態度をとっていいのかな?年上に向かって」

「年上もクソもありません!わたしnじゃなく、私達のお兄様を奪おうとする人には!」

(おい〜、メイ?)


はて?これは何の戦いなのかまず整理をしよう。メイはアヤに向かってデカ牛と言った(なぜ?)。それにキレるアヤは分かるがメイの言っていた奪うとは、どうゆう事だ?アヤがいつ僕を奪おうとしたんだ?そもそもそんな事をするのか?


「なあ、2人ともな……」

「「ルカ(お兄様)は、黙ってて!」」

「はい(泣)」


本日二度目の罵倒がきた。いくらメンタルが強い僕でも泣いちゃうよ?いいの?

僕が半泣きになっている事にも気付かない。相当集中しているようだ。


「良く言いますね?アヤお姉さん、人のお兄様をいやらしい目で見ていたくせに?お姉さんではありませんね。エロ姉の方があっているのでは?」

「だ、誰がいやらしい目で見てるって"?それと誰がエロ姉だ!」


顔が赤くなってでもいい返すアヤ。いや、今まそんな事はどうでもいい。アヤが僕をいやらしい目で見ている?アヤに限ってそんな事はないだろう。でもそうであったら嬉しいな。

(なんせ、僕はアヤが好きだからな!まあ、その話はまた今度にして今まこの2人を止めるか)


「チョップ」

「痛っ」

「右も同じくチョップ」

「うげっ」


少し強めにチョップをすると、頭を抑えて蹲るメイとアヤの姿は少し可愛らしく見えた。


「お兄様!何をするのですか!?」

「そうよルカ!痛いじゃない!」


僕がなぜチョップをしたのか分からない2人は、それに対する答えを待つ。


「まーまー、落ち着いて2人とも。今日は王都に行くから早く家を出ないといけないからね?」

「それもそうだったわ」


アヤは、今気付いたような口調で僕の意見に肯定する。


「くっ!デカ牛、この話はまた今度決着をつけましょう」

「望むところだわ。あと、デカ牛じゃない」


こうして、メイとアヤの戦いは幕を閉じた?のだった。










 ♢♦︎♢♦︎♢


「ルカ〜〜、そろそろ支度は出来た?」

「はい、母上。バッチリです」


僕は、母上に準備が出来た合図としてその場で一度止まった。


「うん、ちゃんと襟はおかしくないしシャツも出ていないね。でも本当に良かったの?お父さんの服を着ていかなくて」


母上に心配されないように首を横に振る。


「はい。父上の服は汚したくないですし、自分が毎日着ている服の方が落ち着きますしね」

(他に理由はあるけどね)


僕は母上に悟られないように表情を真顔にする。


「そう?それなら別にいいけど…」


母上は半分は納得したような、もう半分は納得していないような難しい顔をする。

そうこうしているうちに、アヤの声が庭から聞こえてくる。


「ルカ〜〜〜。準備終わったーー?」

「うん。今終わったところだよ」


僕はアヤに元気いっぱいの笑顔で応じる。アヤを待たせないように少し小走りで庭に向かう僕。


「じゃ、いこっか!」

「うん!」


アヤの力強い返事を聞き、家族に別れを言う為に後ろを振り返る。


「父上、母上、そしてメイ。行って来ます!」

「「いってらっしゃい!」


みんなの笑顔が見れてつい口元を綻ばす。

家族から送られるのは少し恥ずかしいが、それでも嬉しいものだ。


「ルカーー何してるの?早く行くよ!」

「おう!」


アヤに呼ばれて足を動かすルカ。ここから王都までは、大体5kmぐらいだ。道のりは、山や谷を越えて……………ではなくいたって平坦な道だ。最後に通る王都の門の道のりが少し坂になっているぐらいだ。


「それにしても暇だねー。そうだ!ルカあそこの木まで競走しよっ!」

「いいよ。じゃ、いくよ?」


僕が合図のカウントダウンを告げる。


「3、2、10(いちぜろ)っ!」


僕は、最後の所を少し早く数える。そのおかげでアヤのスタートダッシュは、少し遅れてスタートする。


「よっしゃ!ゴール」

「くっそー!負けた。でもルカあれはずるいよ」


ルカのやり方に抗議するアヤ。


「別に、あれやんなくても僕が勝ってたでしょ」

「それも、そうだけど…………」


僕の発言に、複雑そうな笑みを浮かべる。昔から運動は得意な方だった。いや、むしろそれしか取り柄がなかったような気がするが。


「でも、不正は不正だよ!」


頬を膨らまして怒るアヤの姿は、とても僕が隣にいてはいけないような雰囲気を出していた。


「ごめんって」

「反省してる?」

「してるよ?」


道中僕とアヤは、他愛もない会話が続いた。

そんなこんなをしていると、前の方から呻き声が聞こえてきた。


「何だろう?」


僕がアヤに、質問するように問い掛ける。


「分かんないけど行ってみよ!」


アヤが走っていく後ろ姿を急いで追う僕だった。







少し歩いて行くと、左側の木のそばから小さい人影が見えて来る。近付いて見ると緑色の服を着た7〜9歳ぐらいの少年が膝を抑えてうずくまっていた。


「どうしたの?」


すかさずアヤが少年に向かって声をかける。


「木の実を採ってたら、足を……滑らせて、グスンッ」


少年の足を見ると、膝に血が出ていた。派手なこけ方をしたらしく結構な量が出ていた。


「痛かったね。でも、もう大丈夫!お姉さんが治してあげる」


アヤは、そう言うと両手を少年の膝にかざし集中して唱える。


「癒しの精霊よ。我に癒しの加護を与えなさい。さすれば我は、この身を持って忠誠を!」

「ヒーリング!」


ポワァァァァァ


金色の光が出たかと思うと少年の傷に集中し瞬く間に傷を癒していく。


「ありがとう!お姉ちゃん!」

「いいのよ、これぐらい」


そう言うと少年は、どこかに走り去って行った。

アヤは、天才だ。水魔法と回復魔法の両方が使える。普通の人なら1属性の魔法しか使えないが、稀に2属性の魔法が使える者が産まれることがある。この世界の魔法は主に、火、水、風、土、闇、光、回復だ。ほとんどの人は、火、水、風、土だけど稀に闇や光、回復を扱う者達もいる。僕達は、そう言ったものを天才と言う。2属性使えるアヤも例外ではない。

僕は、まだ魔法は使えないけどねー。


「アヤは凄いなー。正直羨ましいよ」

「えへへ。そうかな?」


顔を赤くして嬉しそうにするアヤ。


「だってもうスキルは、2つ決まったようなもんだろ?」

「大丈夫よ!ルカにだって才能があるかもしれないじゃない」

「そうだといいけどなー」


僕は、底辺だ。12歳になる子供のほとんどは、魔法やスキルなどがなんかしら発現している。王都には、それを詳しく聞きにいくだけだ。それなのに僕は、何にも発現していない。所謂、無能って奴だ。

(あれ?何か急に涙が)


「はあ〜〜」

「ほら、元気出してルカ」

「はいよ」

「もおー」


その後は、僕の元気のない声を出しながら王都に向かって行ったとさ。
















ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


それから僕達は、歩いてやっと王都に来た。


「やっぱり、ここだけ迫力が違うなー」

「そうね。5kmしか離れてないのにここまで違うとなんだか、家らが住んでる所が悲しいような」


僕は、アヤの言葉に激しく同意する。もっと僕達が住んでる所も栄えていいのに。


「ルカーー。早く列に並ぶよー」

「分かった」


ここからは、鬼のような時間だ。王都に入るには、この長い列に並び門を潜らなければならない。僕達の前に居る人は、大体200人くらいか?いくら貴族と言ってもそれは、親がついていたらの話だ。まあ、子供だけでも上級貴族だったら通れるけどね。

約30分ぐらい待ってやっと僕達の番が来た。


「君達は、何の用できたんだい?」


1人の若い騎士の男性がそう僕達に言う。


「12歳になったので神官様様からスキルを貰いに来ました」


ここは、男である俺が思いきって言う。


「そうかい?では、証明する物を見せてくれるかい?」


僕とアヤは、言われた通りに産まれた時に国から発行される身分証明書を出した。


「うん。2人とも間違いないね。ようこそ王都へ!」


若い男性の方がそう言うと道を開けて促すように手招きをする。僕達は、それに応えるように門を潜る。


「ザワザワザワ」


「「わあー!」」


僕とアヤの声が重なる。


「教会は、この大通りの通路を左に曲がってまっすぐ進むとあるからね」

「ありがとうございます!」

「気を付けてね」


俺達は、案内をしてくれた騎士の人にお礼を言い、その場から離れる。門を潜るお金はどうしたかって?12歳になった子は無料なんだよー。13歳になったらまた払わないといけないけどね。


「えっと………大通りを左側に曲がってまっすぐ進めば……………あった!」


僕とアヤの目の前に白い建物が現れる。真ん中に十字架のマークが印象的だ。


「アヤ、入ろっか」

「うん!」


僕とアヤは、元気よく教会に足を踏み入れるのだった。





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