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捏造の王国

捏造の王国 その43 任命前に退陣か!反知性政権継承で大ピンチのガース総理

作者: 天城冴

国会開催もせず所信表明演説も正式任命もまたず、次々に政策だの方針だの発表したものの、実はトンデモ地雷のことをやらかしまくっているガース総理。民主主義国家の最大のタブーともいえる学術会議の人選に手を突っ込むという愚行をネチネチと言い立て、あざ笑うのは…

台風も猛暑も後倒しになりつつも、秋らしく朝夕の涼しさが心地よくなってきたニホン国。しかし、ここ官邸では、超不快な空気が流れまくっていた。

「くう、こ、こんなに反発をくらうとは」

と嘆きながら、緑茶をすするのはガース長官ではなく新総理。総理になっても茶好きはかわらなかったのだが

「ああ、通販の茶は今一つだな、最高級品質は嘘なのか。いつも買っていた茶の店、気が付いたらつぶれてましたと妻がいっていたなあ。やはり茶専門店、実店舗のみだと時代にあわないのだろうか」

としみじみつぶやくと、どこからともなく不気味な声が

“いやあ、ご店主がご老体なのもありますけどねー、貴方と前総理たちが消費税上げたせいですよー、新型肺炎ウイルス対策真面目にやらずに行き当たりばったりの経済政策しかしなかったせいですよー“

「ま、また空耳か!聞こえない。私は何も聞こえんぞ!」

“まーた、嘘ついちゃって。もっとも、私、地獄の書記官の声が聞こえるのは、ここでは貴方だけ、特別ですよ。奪衣婆さんだってそうですけどお”

「わけわからんオバサンの次はいかれたオヤジの声か。やはり総理職というのはストレスがたまるのだろうか」

“まあ、あれだけの反発、批判招いたら、そりゃストレスたまるでしょうねえ。なにしろ世界の一流の科学誌、二冊から批判され、米の超一流大学から反対署名が届くなんて、なかなかないですよねえ。人類最高の知性を持つ人達から猛攻撃を受けるなんて、前アベノ総理を超えられてよかったですねえ。アホな上に僻み根性と陰湿さは前総理を上回るって、マイティフールプラス、ワースト・アンチ・インテリとか呼ばれちゃうのかしらん”

「学術ニホン会議の推薦人を数名任命しなかっただけで、この騒ぎかあ!」

ガース総理がたたきつけるように湯飲みを置くと

“その前にもやってんでしょう、旅行サイト依怙贔屓トラブル、いやトラベルキャンペーンとか、お仲間うちだけのナンチャッテグループ会見とか。まあ、総理初めての記者会見でロクに質問に答えられず、判で押したような答えでしたからねえ。それでハンコなくして大丈夫なんですかねえ”

「う、うるさい。想定外の質問には、その…」

“あのー、他国の真っ当なジャーナリストなら痛いところをつくような質問するのが普通なんですけどねえ。つうか政権批判をするために新聞とかが作られたはずですよねえ。時の政府が色々アコギなことやったから。大臣やらの言うことそのまま書いてたら政府広報っていうんじゃないですかね。それで読者から金取るのは図々しいですねえ”

「新聞批判なら新聞社でやりたまえ!私は総理なんだぞ!」

“いや、正式に任命されてないし、国会開催して所信表明演説もしてませんよねえ。前例踏襲が駄目っていうなら、臨時で正式な手続き省略してた総理だから任命拒否、前例は踏襲しないって、この国の偉いさんがいってもいいはずですよねえ。あの方、ご自分もご家族も学者だし奥さまも知性派だし、反知性主義とか嫌いそうですよねえ”

「そ、そんな大事に。ああくそ、6人外しただけで、なんでこんなあ!」

“だーかーら、理由は言わない、法令解釈をなぜ変更したかも密室。まあだいたいわかってますけどねえ。前政権の公文書改ざん、偽造に法律捻じ曲げに事実上の無視、憲法違反ともいえる閣議決定の乱発に、まあ知性、知能、知識がまともにある人なら反発しますわ。学術会議のメンバーならなおさら”

「あの6人は、政権に、その、だな、批判的なハンニチ…」

“はあ、声が随分と小さくなりましたねえ。やはり後ろめたいですか、そうですか、そうですか。法律違反を指摘とか、文書改ざんをダメというのが国益にかなわないって、どういうことなんですかねえ。だいたい学術ニホン会議に政府が手を突っ込むなってのは、先の大戦のボロ負けの教訓ですよねえ。前のとき、まともな学者の意見を全部無視して戦争に突っ走った。貴方のお父さんも中国の上あたりから命からがら逃げだしたんですよねえ。上級官僚だったのに”

「そ、それは、そのう」

“まあ、お父さんはその後クロイチゴ栽培で首都圏にも売り出して成功して、お子さんもほとんど一流大に行かせたからいいのかな。あ、貴方は違うか”

「が、学歴差別だ!だいたい私はバイトしながらの苦学生だったから、その」

“あのー、有名私立大って超成績優秀者には学費無料の給付型奨学金、出してましたよね、他にも貸与型でも無利子とか返還猶予や免除がある奨学金って、あの頃は結構ありましたけどねえ。そういう奨学金もらって、学生寮とかにはいって家庭教師だの大使館皿洗いのバイトとかで食いつないだ人っていますけど。つまり、貴男はそこまで優秀では…”

「そ、それをいうな!優秀でなくても苦学生なんだあ!」

“内緒で親に小遣いもらってた疑惑をお姉さんにバラされたとか、地盤が実は親の知人、友人がたくさんいるところだったってのは、突っ込まないでおいてあげますけど。なんという

か嘘の下手すぎですし。貴方の御贔屓で上にあがった元コーアンの方が、あの6人を任命するなって言ったらしいですけど、よくそんな人の意見を採用しましたねえ。なんたって共産ニホンのトップにカーチェイスで負けちゃうスパイ集団の親玉って情けない人達ですよお。ロシアのプータンさんとはいわないでも、も少し頭のいい人を集めればいいのにねえ。反知性主義もいきすぎると自滅しますよお。だいたい一流のサイコパスなら、も少し上手に嘘をつくし、少し賢い善人をもっとうまく騙しますけどねえ。それも駄目かあ”

それを聞いてうなだれるガース新総理。本来、人でなしの精神異常者と認定されないことは喜ぶべきことではあるのだろうが、真人間でもないが、さりとて巨悪のラスボスにしては超役不足という中途半端な自分の存在を直球で指摘され、さすがに落ち込んでいるようだ。しかし、地獄の書記官の口撃はまだまだ続く。

“まー、この件で貴方を擁護してる人も同じですねえ。一流学会で認められてない学者とかあ、もう遠縁ともいえないのにニホン国のお偉いさんの御親戚を名乗るオッサンとかあ、実は裁判負け続けなのに、政治家ぶって嘘とハッタリで民衆をけむに巻く弁護士さんたちとかあ、バブルの名残に便乗してしか成功してなかった実業家とかあ。知的研究とか高貴さとかに憧れたけど、自分の資質が追い付かなくて、はじかれた恨みつらみが滲みでてますねえ。高嶺の花に振られてストーカー化した男性みたいですねえ。モーツアルトに負けたサリエリより悪いですねえ。開き直って論理矛盾の言い訳、酸っぱい葡萄の言い訳よりさらに悪い、すぐばれるデマつきまくってますから。アマリリさんとか退院したら汚職の言い訳するって言ってたのに、しないどころか堂々とデマはいてますからね。もう一度、別の病院に入院されたほうがいいんじゃないですかあ”

「や、やめろー」

耐えきれずに叫ぶガース総理。擁護するつもりで、すぐばれる嘘つき、デマを広めたおかげで、かえって事が大きくなり、全地球的な規模の問題に発展しているのは、お取り巻きである彼ら。彼らのブログやツィッターの大炎上で事態が悪くなっているのだから、情けないというか、なんというか。

“いっそ、中国のようにわかりやすい弾圧のほうが、悪の親玉らしくってよかったかもしれませんねえ。手なづけたお味方に真の知性が欠けているせいで、贔屓の引き倒し、ならぬ擁護するつもりで炎上。バカな味方は敵より悪いという諺でしたっけ、それを地でいかれてまして、まあ地獄も忙しくなりそうですねえ。これだけ面倒な悪い人がいると”

地獄の書記官のストレートで痛すぎる御指摘は、流石のガース新総理の精神にも多大なる打撃を与えたようで

「き、聞こえない~、私は何も~、地獄の書記官が何だというんだ~♪」

と、言語明瞭意味不明なセリフを歌いだした。


「だ、大丈夫かな、ガース総理。シモシモダ君」

ガース新総理の部屋の扉から、そっと中をうかがうニシニシムラ総理補佐官は心配そうにつぶやいた。

「まあ、就任早々飛ばしすぎだったからな。世界中から非難を浴びれば精神的にまいるよ、自業自得と言われれば、それまでだけど。会議の件はもうちょっと待った方がよかったし、っていうか必要あったのかな、あれ。新型ウイルス対策でトラベルキャンペーンの他イートキャンペーンでもケチをつけられるのが嫌ってことだったのかもしれないが」

「タニタニダ君なんてガース総理を見限ったのか、アトウダ副総理につきっきりだよ。なんでも100代総理の座は渡さんとかいってるらしいよ、アトウダ副総理。まだ国会も開催していないのに、もう総理推薦人が分裂なんて、どうなるんだろう」

「前例踏襲しないって言い訳、逆にこっちに向けられて新総理任命拒否ってなったら、大ごとだぞ。あちらさんも、言い訳はいくらでもできそうだし。国民の任命拒否署名なんて集まったら、どうしよう。何しろ、こっちの言い訳がひどすぎるからな。自称言い訳の専門家の友人から言わせると“アンタたち、このニホンでその言い訳レベルでよく生きてこれたね。会食禁止、オヤジ談合禁止の世界じゃ、通用しないよ、稚拙すぎて”とか」

「すごい言われようだね、シモシモダ君。でも、確かに言ったそばから嘘やデマがバレてるから酷いよね。まあ、居酒屋とかで、そういうオジサンがいるって聞いたことはあるけど、それを元大臣のアマリリさんもやってるからね。それに一番重要なウイルス対策で目新しいことないしね、他の官僚や議員たちが訝しがるのも当然っていえば当然かも、マスコミ集めたホットケーキ朝食会や、元コーアンの進言で6人の任命除外を決めたってこと、リークされてるのは信用されてないからだろうし」

「そうなんだよ、ニシニシムラ君。味方についてるはずの官僚やらメディアにも猜疑心を持たれ裏切られるかもってのが、痛いよな。第一、経済対策してますって言っても大勢の人が感染して、重症化、死んだりしたら元も子もない。ウイルスの流行が収まらないどころか拡大が懸念される秋冬になったら、どうするか。携帯料金値下げとかIT庁とか、会議任命拒否とかより、それをしっかりやらないと、本当に不味いんだけど。今、新しい政策を練り上げたとしてもガース新総理があの様子じゃ採用してくれるどころか」

「僕等まで疑われて飛ばされそうだよね。ガースさん、ほんとうに総理になってよかったのかなあ」

反知性主義を受け継いだうえにアベノ総理より陰湿で可愛げなしとアカデミズムから認定されつつあるガース新総理の不穏な言動に、さらに不安になるニシニシムラ総理補佐官とシモシモダ総理補佐官であった。


どこぞの国では、研究費はここ20年ばかり減らされ続け、研究費が先細り、ノーベル賞とか取るのはもう無理かもって言われてるぐらい、学術研究軽視してるようですが、それで人選とか下手にいじくったら、超後退国への道をまっしぐらになりそうですが、本当にいいんですかねえ。

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