表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

第一話 無敵のお守りは最強じゃないとね

順風満帆の高校ライフをおくっていた俺、氷野大地(ひのだいち)は無事死亡した。



体育の授業で野球をしていた。

ポジションはピッチャー、バッターはきれっきれのストレートをフルスイング。

『ストライク!!!』

そしてフルスイングされ、すっぽ抜けたバットが飛んでくる。

片手で振り払う。

プロ野球の乱闘の雰囲気を出そうと全力でバッターに向かって行く。

別に怒った訳でなく半分冗談だ。

踏み出した足で転がったバットを踏む。

「えっ」

ふわっと体が宙に浮く

整備の行き届いていない小石交じりのグランドにダイブ

(まじ、いってぇ)

そのまま保健室へと直行する。

保健室の先生に少しだけ怒られたがコレくらい平気だ。


授業も終わり、すっかり夕方になっていた。

これから電車を乗り継ぎ家に着くころには暗くなっているだろう。

だが家にたどり着くことはなかった。


最寄り駅に着き家に向かって歩き出した時、後頭部へと衝撃が走る。

そのまま地面へと倒れこむ。

痛みの中見上げるとバットを振りかぶった知らない奴がそこにいた。


そして俺は2回目の人生を歩むことになった。


リアルセカンドライフ5479日目。

2回目の15歳の誕生日を迎えた。

新しい世界では15歳から冒険者としての登録が可能になる。

待ちに待った冒険者デビューである。



「・・・・こんな感じでいいか」


「完璧だ」


「このオープニングっぽい説明はいったい誰の為なんだ」


「強いて言うなら俺の為」


街の入口で腰に手を当て堂々とした態度でその説明を受けた氷野大地、改めレアルは満足そうな顔をしていた。


そうこいつは俺のダチ、レアル。

本当に前世の記憶があるらしく、いわゆる転生組というやつだ。

5歳の頃から共に冒険者を目指した悪友だ。

この誰の目にもとまらない場所で無駄なオープニングをナレーションさせるだけで分かるように本物のバカだ。バカであるがまた本物であることに変わりはない。

5歳の時点でその才能は突出していた。


レアル:適正 セイバー


体力と筋力は化け物といってよかった。

そして次いでの実力があった俺がコンビを組むことになった。

コンビというかお守りだ。

本物(バカ)であるが故、周りにご迷惑をかけないようセーブする為だ。

そのおかげといっては何だが俺の才能も開花した。

未曾有の才能を常に隣に置き、その暴風を制御し続けたのだ。10年間も。


メンティラ:適正 オールラウンダー


いわゆる何でも屋。何でもやるがすべての能力が平均値というのが通常なのだが、通常で抑えきれない才能と居続けた為すべての能力が化け物となった。

化け物を制御するのだから仕方のないことといえる。

もちろん最初からすべての能力が高かったわけではない。

血反吐を吐きながら制御を続けたからだ。

なぜそこまで付き合ったのか、簡単だ。俺はバカが好きだ。

そしてコンビを組んで3年したあたりでその才能に気付いた。

俺以外の誰もが彼の才能を制御できなかったからだ。


今日は俺にとっても冒険者としてのスタートだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ