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やっぱり長女気質なの?!  作者: 平手みづき
新学期編
6/38

05

だいたい始業式ってさ、校長先生のお言葉があって生徒会長の挨拶があって終わりだよね。


「皆さん休暇は有意義に過ごせましたでしょうか?私は、魔法センターの研究発表会に出席してきましたがそこでは……………」



先生、魔法の話になると長いんだよね。魔法センターは魔道具の販売許可を出したり、魔獣が、暴走したときに退治したり、あとは聖獣の保護なんかも行っている要は魔法に関することならなんでも取り扱っている機関だ。

魔法学院を卒業後ここに就職する人は結構多い。


「続いて重大な発表なのですが………」


おっ、編入生の話かな?


「魔法センターと連携して、今年度から魔法使いバトルを行うことになりました!」


違った。それにしても魔法使いバトルってネーミングダサいな。

皆がざわざわしてる。


「皆さんの中には魔法センターに就職する人が多いかと思いますが、就職後どこの部署に配属されるかは半年ほどの研修後に発表されるのが、通例でした。しかし来年、現在の6年生から、この魔法使いバトルの結果を用いることで研修期間を短くするという試みです。」


なるほど。じゃあ魔法センター就職を考えている人はしっかり取り組めってことか。


「最後となりましたが本校では154年ぶりに飛び級をするという偉業を成し遂げた人物がいます。私達教員はこの事を誇りに思います。また、11歳で4年生に飛び級した例は過去になく、非常に驚いてもいます。」


やっぱり普通じゃないんだ。皆さっきよりざわざわしてる。皆この学校の厳しさは知っているから、コネとかは考えない。


「では私に引き続き、生徒会長のアルバート殿下にお話頂きましょう。」


先生がそう言った瞬間ざわめきが悲鳴に変わった。アルバート殿下イケメンだからな。



アルバート・セントリクス殿下は我が国の第2王子だ。現在6年生で私と同じ16歳。6年主席も彼だと聞く。

そんな殿下はこの国で唯一王族だけが持つプラチナブロンドの髪にブルーの瞳。こんな綺麗な人間目の前にしたら確かに膝まづくしかないかもしれない。


「皆さんおはようございます。今年度から新たな行事が始まりますが、ご自分の体を第一に学業に励んで下さい。」


流石殿下だ。当たり障りのないことをうまく言ってる。ってこれ不敬かな?












こうして始業式は無事に終わったのだが、教室に入るとやっぱり皆そわそわしていた。


新しいクラスメイトがミュラー公爵家じゃあ緊張するよね。

私も付かず離れずというか、あまり関わらないようにしたいというか…………


初めはそう思っていたのだが、弟たちと同じ年だというところで引っ掛かってしまった。

きっと年上ばかりの中、一人は心細いに違いない。積極的には無理だけどなんとかフォローしてあげよう。


そんなことを考えながら席に着くと皆がはっと息を飲んだ。

何事?と思って回りを見ると皆が私を見ている。

流石にここで「皆私の美しさに気が付いてしまったのね!」とか思うほど呑気ではない。


そっと隣を見ると美しい少年が座っていてしかもこっちを見ていた!

かなりこの空気で彼こそがレイモンド・ミュラー様なのだと察してしまった。


どうしよう目があった‼

レイモンド様(神々しいのでそう呼ぶことにした)は柔らかそうな黒髪にブルーの瞳。一言でいうと非常に賢そうな子供である。そして美しい。


なんとそんなレイモンド様が私に向かって微笑んだ。

ほっ。取り敢えず怒らせたわけではないようだ。


「俺は今日から隣の席でお世話になりますレイモンド・ミュラーと申します。誰も親しい方がいないのでどうか俺と仲良くして下さい。」


なんて礼儀正しい子なんだ!やっぱり心細かったのね。


「此方こそ宜しくお願い致します。なにか、不便なことがありましたら遠慮なく仰って下さい!」


あっ、でも男同士の方がいいこととかあるんじゃないかな。

そうだ、学級長!


「学級長………」


言いかけてやめた。学級長よ、なぜそんなに首を振る。

なんとなくレイモンド様を振り替えると一瞬怖い顔をしていたような……

でも瞬きしたら笑っていた。見間違えか。



おっと、先生が教室に入って来た。皆が席につき始める。



担任のルータ先生は年齢不詳の美人な先生だ。ものすごい魔法使いであることは間違いないのだが、30年前からこの学校にいるらしい。


「ハイハイ、皆レイモンド君のことが気になるかもしれないけど取り敢えず欠席者は手を挙げてね。

はい、全員いるっと。」





先生、欠席の人は手を挙げられないから出欠確認になってないんじゃ……。





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