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寮の自分の部屋に帰ってきて、こんなに疲れているのに明日からの授業は大丈夫だろうかと思っていると、外出していたらしいアンナが帰って来た。
「ちょっとー!今日のお茶会でバトルったらしいじゃない!」
バトルった?
ああ、戦いになったってことね。
いえいえ、あれは私が一方的にボロクソ言われただけであって決して戦ったわけでは……ってそんなことより!
「なんで、アンナが今日のことを知ってるの⁈」
「この私を舐めるんじゃないわよ。
と言いたいとこだけど、実は私もあの場にいたのよねー」
そうなんだ………って、
「はぁ?!」
そりゃ、私はお茶会会場ではおとなしく目立たないようにしてたから逆に周りの人とかもそんなに真剣には見てなかったけどさ。
気付いていたんなら声くらいかけてくれても……
「今、気付いてたなら声くらいかけろって思ってるでしょ。」
「うん。ってちょっと待って!なんで私の思ってることがわかるの?」
割と無表情だと思ってるんだけど。
「あのね、普段の顔が無表情だからって感情の変化に合わせて顔が変わらないわけじゃないでしょ?アイリーンは結構顔の変化が分かりやすいよ。」
そんなっ。今までかなり顔に出てたってこと⁈
もう今日は何がなんだかよく分からないが、とりあえず散々な一日だ。
「あっ、そうだ。それでなんで声をかけてくれなかったの?」
「それは、私まで巻き込まれたらヤダし、レイモンド様のお母さんが出てきて面白そうなことになりそうだったから!」
「………。」
まったく……。
確かに位の高いご令嬢に目をつけられたらまずいから関わらなかったっていうのは正しいし、私でも多分そうしてたけど、アンナの場合は圧倒的に面白そうだと思っていた割合が高いに決まってる。
私はあの時ものすごく困っていたんだぞ!
「もうアンナの愚痴なんか聞いてあげない。」
「うそうそ、さっきのうそだから。本当は助けに行こうとしてたから。」
アンナだって分かりやすいじゃん。
「しょうがないなぁ。特別に許してしんぜよう!」
「ははーー。ありがとうございます、アイリーン様っ。」
二人でふざけ合いながら、
夕食を食べるために食堂に向かった。




