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レイは、何を言っているのかよくわからないというふうに顔を赤くしている私を見ていたが、突然はっとしたように顔を赤らめた。
その顔すら愛おしいと思ってしまう私はもう、かなり気持ちを誤魔化せない所まできているのだろうか。
弟たちを可愛い、好きだと感じるよりも強いこの感情に正直戸惑っている。
レイは気づくと、ふらふらと部屋を出ていくところだった。
どう思われたのか気になるが、顔を合わせるのが気まずいのもあり、引き留められなかった。
暫くぼうっとしていると、再び部屋の扉が開いたのでレイが帰ってきてしまったのかと思ったが違うようだ。
「あら~。素敵じゃない!アイリーンちゃんによく似合っているわ。あの子ったらどのドレスが一番いいのかって私に泣きついてきたのよ?普段冷静なあの子が笑っちゃうわよね。」
そう話ながら部屋に入ってきたのは、綺麗な少しきつい顔をした女性だった。
レイによく似ている。
「レイのお姉さまでしょうか?」
でも確かミュラー家には子供が一人しかいないって前にアンナがいってたような?
「もう!そんなに若く見えるかしら?母よ、レイの!」
「ええーーー?!」
家の父も童顔だがそれは可愛いって感じであって綺麗で若いってすごい。
「間違えてしまいすみません。身近に大人の女性があまりいないもので……。」
「気にしてないからいいのよ。そんなことより、今日はお茶会を楽しみましょうね!」
「それはどういう……?」
「レイから聞いてない?今日は私がアイリーンちゃんと一緒にお茶会に出席するのよ。未来の母としてね。ああ、可愛いげのない息子しかいなかったから可愛い娘ができて嬉しいわ。他の婦人たちに自慢しなきゃ。」
レイはどうやら自分の母親を助っ人呼ばわりしていたらしい。正直心強いとは思うけど。
「あの、でも今日は一応アルバート殿下の婚約者候補が集められてるらしいので、そんなこと言ったら失礼に当たるのでは?」
「そんなこと気にしなくていいわよ。大体聞いたわよ、あなたアルバート殿下に告白アプローチされてるって。あの王子も強引過ぎなのよ。家のレイだって我慢してんのに。」
確かにアルバート様は強引過ぎると私も思った。
同じ強引でも私はレイの方が……って何考えてるの❗
「そう言えばレイは何処?全く女性には優しくって教えたのにどっかに行っちゃってー。」
「それは私が悪いのです!告白みたいなこと言っちゃったから……。」
「それはどういうこと?」
言ってしまったからにはしょうがない。覚悟を決めて私はミュラー夫人に先程のことを買いつまんで話した。
「……それはレイもレイだと思っていたけど貴女も貴女ね。そんな男を調子に乗らせるようなこと言っちゃダメよ。すぐに貴女みたいな可愛い子は襲われちゃうわよ!」
襲う?!そんな物騒な。でもあの発言は自分としても後悔はしているので素直に注意は聞いておく。
「さあ、そろそろ行きましょうか、戦場に。」
「はい。」
いや、つい返事しちゃったけどお茶会ってそんなに物騒なんですか?!
始まる前からなんだか憂鬱な気分になってしまった。




