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気が重い。その一言に尽きる。
現在私はミュラー公爵家に向かう馬車の中だ。
レイがドレスを着た姿を一番に見たいからと、公爵家でドレスを着て出発することになってしまったのだ。
「到着いたしました。」
御者さんの声が聞こえて馬車の扉が開いたので、いそいそと外にでる。
目の前にはものすごい屋敷が建っていた。
っていうか屋敷だけじゃない。歩いていると素晴らしい庭が目に入ってきた。咲いている花も希少種ばかり。公爵領の特産品の1つだろうと思われる。
「ああ、アイリーンが俺の屋敷にいる。感動だ!そうだ、このままここで一緒に暮らそう!」
「レイモンド様、少し冷静に。」
執事のグリードさんにたしなめられている。
うん、場所がどこであれ、レイはいつものレイだ。
「お招きありがとうございます、レイモンド様。」
「よそよそしいのが気になるが、まあいいだろう。お前たち、ドレスの気付けを頼む。」
レイはそう言い残すとさっさと何処かに行ってしまい、私は公爵家のメイドさんたちに連行されてしまった。
「まあ、とてもお似合いですわ!レイモンド様のお見たて通りです。早速レイモンド様をお呼びして参ります。」
確かに上品なデザインで素敵だった。もともとドレスが好きな私は自分が今着ているドレスをうっとりと見ていた。
メイドさんが興奮して出ていくと入れ替わるようにレイが入ってきた。
レイは私を見て目を見開くと、何も言わずに抱き締めてきた。
「ちょっと。苦しいよ。」
「アイリーンが可愛すぎるのが悪い。」
レイはすぐに離してくれたが、私の顔は赤いままだった。
それを誤魔化したくて口を動かすことにした。
「そう言えば、今気づいたけど身長が伸びたね。」
元々同年代と比べると高い身長が最近更に伸びている気がする。今だって抱き締められたときにレイの肩ぐらいの位置に顔が来てたし。
「そうか?早くアイリーンに追い付きたくて背の伸びる食べ物をたくさん食べたからかな。」
照れくさそうに笑うレイを見ていたら胸がぎゅっと締め付けられた。
そして気付いたら口が勝手に動いていた。
「私、レイの事が好きだと思う。」
何言ってんの私ーーー!
ついに二人の距離が縮まるか?!




