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「嬉しいことに、うちのクラスからはシュタイナーさんとミュラーさんが参加することになりました!拍手!」
クラスから拍手が起こった。
皆は私を生け贄に差し出したんだからそりゃ拍手するよね。
大体成績はいいけど魔法力自体はそんなに持ってない私が活躍できる訳がないんだけど。
「先生、僕たち、魔法使いバトルで優勝したら結婚前提にお付き合いすることになってるんです。クラスのやつらも応援しろよ。」
いつになくレイが先生に丁寧に話しかけたと思ったら、今なんて言った?
とんでもないこと口走らなかった?!
「もう、熱いわねえ。せいぜい振られないように頑張りなさい!」
先生は高笑いしながら教室を出ていった。
「あのー。アイリーン様がレイモンド様とお付き合いするって本当ですか?」
クラスメイトの一人がおずおずと話しかけて来た。
「勿論違いま……。」
「その通りだ。」
ちょっとレイ!私の言葉に被せないでよ。
人の話は最後まで聴きましょうって習わなかったの?
「アイリーンが魔法使いバトルでの俺の活躍に惚れて、付き合ってくれるというシナリオだからな。」
暫くクラスがしんとして、次の瞬間笑いが起こった。
「シナリオって、本人の前で言っちゃダメなやつでしょ。」
「レイモンド様って意外と親しみやすいんだな。」
「っていうか天才の癖にアイリーン様が絡むとバカになるっていうか……。」
「お似合いのカップルじゃない!私はレイモンド様、応援する!」
ええー!なんでそんなに盛り上がってるの?
今まで見たなかで今が一番クラスがまとまってるんだけど……。
「アイリーン様。聞くところによると、アルバート殿下にもアプローチされているとか?」
「なっ。それは……。」
そんなことどこで聞いてきたのよーーー!
「それ以上言わないでやれ。あいつが振られたときに可哀想だからな!」
レイの言葉に再びクラスが笑いに包まれた。
っていうかこの状況、圧倒的に私のダメージが大きいんですけど。
私が心の中で愚痴っていると、クラスに天罰が下った。
「おやおや、私の話題かな?」
さて、この台詞はいったい誰が?
まあ、薄々気づいているとは思いますが。




