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朝のホームルームで担任のルータ先生が話始めようとしている。この先生が真面目に話をすることは珍しいからついつい皆気になってしまう。それを狙ってるのかは定かじゃないが。
「みんな、校長先生が仰っていた魔法使いバトルのことは、覚えてるかしら?あれはね、二人一組で行うルールらしいわ。協力するのは大事だからね!さあっ。というわけでクラス内で組んでおいてね!今週末までにエントリーだから。勿論まだ4年生のあなたたちは強制ではないわ。今のうちから出ておきたいという人は頑張って。以上!」
今年は強制ではないのか。出るべきか?でも危険そうだからヤダな。
「因みに私個人としては、わがクラスのトップ生徒の諸君には是非とも出て、私に花を持たせてほしいなーなんて!」
先生、それは強制って言いますよね?
「アイリーン、あのばばあが言ってただろう?俺とお前が組んで魔法使いバトルに出場するんだ。俺たちほど絆が固い生徒はいないだろうからな!優勝間違いなしだ。」
そうかなぁ。大体レイと会ったのは昔を入れなければ二週間くらい前な訳だし……。
「第一、レイは魔法センターに就職しないでしょ?関係ないのに出たら冷やかしみたいで周りの人はいい気持ちしないよ。」
「アイリーンはもしや就職するつもりだったのか?!俺の嫁になるのに?」
「そ、それは関係ないでしょ!私は長女だし、いざというときに無職なんてカッコ悪いでしょ?」
「まったく……。アイリーンが仮に魔法センターに就職するかもしれないなら魔法使いバトルに出場しても何の問題もない。分かったらエントリーするぞ!」
「ちょっとー‼」
なんだか言いくるめられたと思ったけど、どのみち先生にしつこく言われそうだったからこれで良かったのかも。
先生にエントリーしたいと言いに職員室へ行くと、意外な人物に会った。
「あれ?エドとリド!どうしたの?」
「あっ。リーちゃん。久しぶり!僕らはねー、魔法使いバトルにエントリーをしようと思ってここに来たんだよ。リーちゃんたちもでしょ?」
「よく分かったわね。それにしても貴女たちが出場なんて、手強そうだね。レイは本当に出場するつもりなの?」
「当たり前だ。勝って全校生徒にアイリーンと俺の愛を証明してやるんだ!」
「レイモンド様は……そういう方だったんだね……それに……姉上のことも……すきなんだ……。」
ギャーっ。エドにもばれたじゃない。どうしてくれんのよー。
「僕はもっと前から知ってたよ。この前まで僕とリドより成績が良かったからって調子に乗らない方がいいよ。僕らは二人で最強の魔法使いなんだからね!」
「わかってるよ。今から私もドキドキしてるんだから。」
「勿論リーちゃんには手加減するよ?そこの坊っちゃんには手加減なしだけど。」
「誰が坊っちゃんだ!」
何でうちの兄弟とレイは仲が悪いんだ?
不思議に思いつつも、二人のことは放っておいてエドと一緒にエントリーを済ませ、食堂の横にあるカフェにお茶でも飲みに行くことにした。
「この新作のプリンすごく美味しいね。」
「このパンケーキも……美味しい。」
エドとお茶をしているとほのぼのする。その事をエドに言ったら「僕も……。」と頷き返された。
本当に可愛い‼
「はい。あーんして?」
「……。あーん……。」
モグモグしている姿を見ながら癒されていると周りが騒がしくなった。
「羨ましい……。」
「妖精同士が戯れてる‼」
何やら呟いているのはわかるが内容までは聞き取れない。
しばらく二人で世間話をしているとまたもや周囲が騒がしくなった。
今度はなんだと思っていると人が割れて見知った二人がやって来た。
「おい、いくら弟でも俺を差し置いてアイリーンとデートするなど、許さんぞ!」
「もー。二人とも水臭いじゃん。僕も一緒に家族で語り合おうね?」
「ここは未来の兄も参加すべきだろう!」
なんだ、この混沌とした状況は……。
はあ。本当に二人とも仲良しだね?
楽しそうに言い合いしてるし。
結局このあと、四人でお茶をすることになりました。




