15
「姉上はこいつ、いえ、レイモンド様のことが好きなんですか?」
「ななななんでっ!!まだそんなこと分からないでしょっ。」
「……………。」
はあっとヘンリーはため息をついてレイに向かって歩いていった。
何をするのかと思っていると、レイに耳打ちをした。
レイは一瞬驚いた顔をしていたが、すぐに顔を引き締めて頷いた。
「それでは姉上、この辺で僕は失礼します。あ、何か困ったことがあれば僕かリドに報告して下さいね!」
「わかってる。大丈夫だよ。それに私はお姉ちゃんなんだよ。私のことも頼ってよ。」
ヘンリーは小さくため息をつくと、にっこり笑った。
「ええ。勉強のことで困ったらぜひ。」
「その他のことでもいいんだよ。騎士学校はいろいろ大変だって聞くし。」
「いろいろってなんです?」
「た、例えば結ばれぬ恋とか……。で、でも、気にしないで。家のことは平気だからね!下には弟が二人もいるし、いざとなったら私が婿養子をとればいいだけだから。」
「あああ姉上?もしかして結ばれぬ恋とは、男同士のことを?
チッ。どこでそんなこと知ったんだ。」
「アイリーンは俺の家にお嫁に来るんだから婿養子をとるとか無理だろ?」
「婿養子なら、僕はどうかな。第二王子だし、最適だと思うよ。」
「ちょっとお二人とも!少し黙ってくれませんか!ヘンリーは苦しんでるのに。」
「いや、別に苦しんでなんかないよ。強いて言うならいま、この状態に苦しめられてるかな……。」
「ほら!だから黙ってくださいね。」
「いや、姉上。僕は結ばれぬ恋なんてしてないですからね。本当ですからね?」
「はいはい。」
それにしてもヘンリーがそんなに悩んでいたなんて。でも確かにヘンリーは天使みたいで可愛いから他の男に狙われているのかもしれない。
今度ちゃんと確認しないと。




