最強の盾
「咲き誇れ、チェリーブロッサム‼︎」
先陣を切るのはルナ。
炎で出来た花びらで摩訶を包む。
「無駄だ」
摩訶は鎌で払う。
「ほら」
カイスは自分の周りに複数の剣を生み出す。
それを摩訶に向かって投げつける。
「甘い」
金属音を響かせながら、鎌で一本一本を落とす。
「風よ、荒れ狂え」
突風が吹き荒れる。
それぞれ、飛ばされない様に踏ん張る。
「我は風の子。
我は風に潜む者‼︎」
アレクの詠唱により風の影響を受けなくなる。
「アレク、いつの間に魔法なんて覚えたんだい?
それにこれは……」
驚くカイス。
「俺とシュバルツは、ルナに魔術を少し教わりました。
これは風の加護。
風に対する影響を無効化します」
「なるほど、ね」
風を止まる。
「そうか。
なら、これはどうだ」
摩訶は鎌を構える。
そして、地面を人蹴りしただけでルナの目の前に来る。
「何……⁉︎」
「我、血を吸え」
すると、鎌が赤黒く光る。
「アレは血の武器の力!」
と言うカイス。
「何⁉︎」
その言葉に驚くシュバルツ。
それもそのはず。
摩訶は一度も使った事がない。
てっきり、使えないものだと思っていたが……
「間に合わない……‼︎」
ルナの魔術でもこの至近距離では、防御出来ない。
「狩れ」
刃が大きくなる。
「ソウルイーター」
ルナにかざされる刃。
だが、ルナは無傷。
「間に……合った」
ルナの目の前には、光の大きな盾があった。
そこには、シュバルツの姿も。
「おい、お前……その盾は」
「俺の最大の防御、アイアス……だ‼︎」
摩訶の鎌を退ける。
同時に一歩後ろに後退する摩訶。
パリン、と盾が割れる。
「これ、召喚するのにだいぶ魔力を持っていかれるからここって時にしか使わない」
「何で、あたしを……」
「そりゃ、お前がいなくなったら摩訶が泣くからな。
それに仲間だろ?」
「そうか……」
と言い、立ち直るルナ。
「助かったぞ、シュバルツ。
ありがとう
照れ臭そうにするシュバルツ。
「もっとだ。
もっともっともっと、血を吸え‼︎」
「あー、アレはまずいな」
と言うカイス。
摩訶の体に刻印が浮かび上がる。
「カイス様、アレは……」
「早く摩訶ちゃんを戻さないとまずいかもね。
力を求め過ぎて、血を武器に吸わせ続けてる」
って事は、血が欠乏する。
このままだと、摩訶は人間の血まで求めて徘徊する。
「私はこの世界を変える。
作り変える為には血が‼︎
力が‼︎」
摩訶が襲いかかってきた。
それも、さっきまでのパワーとは違う。
倍の力だ。
ウルド様と互角な程。
前に出るシュバルツ。
「おい、お前‼︎」
止めようとしたアレクだが、シュバルツの目を見た瞬間思った。
アレは覚悟の目。
摩訶を……殺すのか?
いや、でも……
シュバルツはどんどん摩訶に近付く。
後退りする摩訶。
それでも、近付くシュバルツ。
「摩訶……」
摩訶は、鎌を構えている。
「離れろ‼︎」
「離れない」
「離れろ‼︎」
「離れない」
「離れ……れろ」
二人の距離が徐々に縮まる。
摩訶の頰を一筋の涙が溢れる。
手から鎌が落ちる。
摩訶の全身にあった刻印がスッと消える。
気絶した摩訶を受け止めるシュバルツ。
「真理計よ、主人シュバルツ・ワルキューレが命ずる」
摩訶のスカートのポケットから黄金の懐中時計が現れる。
「マカ・サクラバの真理を映し出せ」
黄金の懐中時計が光りだす。
黄金の光が周囲を黄金の世界で覆う。
「おい、シュバルツ……」
「これは何だ?」
「へぇー、なるほどね」
周りには黄金の光の粒が舞っている。
「これが真理計の本当の力…だね」
と言うカイス。
「どう言う事だ?」
「カイス様はこれを知っているんですか?」
「うん、実際に見るのは初めてだよ。
相手の真理を見極められる真理計。
その名の通りだよ。
まぁ、簡単に言うと摩訶ちゃんの心の中だね」
「心の……中⁇」
「それは、ヴァルハラへ送る勇士の魂の真理を知る為の。
他人の真理を知る為の道具。
悪意のある奴らに渡らない様にワルキューレが護ってきた、ね」
すると、周りに白と黒のフレームが出てきた。
「これは……⁇」
「そこに摩訶ちゃんの心の想いが映し出される。
これから鑑賞会の始まりだよ」




