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異世界で奏でる幻想曲  作者: kuh*
動乱祭り
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暗闇II

摩訶は黒いオーラを纏いながら街を歩く。


近づくものは力を奪われる。


植物、動物だけではなく人間からも。


夜叉ですら消えていく。


歩いた場所は黒く淀んでいく。


何とか、影を倒し摩訶の近くまでやってきたルナ。


あれは、禁術の一つ。


命を奪う、命を与える魔術は禁忌とされている。


闇魔法には、詳しくない。


だが、分かる。


触れてはいけない、っと。


何があそこまで摩訶を歪めたんだ?


あの状況で歌なんか歌われたら……


いや、歌を歌わなくたって歩いているだけで世界が滅亡する。


「おい、ルナ!」


そこへアレクとシュバルツがやって来た。


「おい、こっちに人形をした影が来なかったか?」


「来た。

まぁ、倒したけど」


倒した⁉︎


一人で⁉︎


こっちは、アレクとでやっとだったのに⁉︎


魔術が使えるとこんなに強くなれるのか?


「それより、摩訶はどうした⁉︎

お前らと一緒にいたはずだよな⁉︎」


「実は……」


原因をルナに話す。


「それか、原因は」


摩訶は建物を鎌で壊していく。


破壊力がバカにならない。


「アレに近付けばあたし達の命も奪われる」


何か方法は……


考えている三人の元に一人の人物が近づいた。


「やあやあ、お困りかな?」


そこには、笑みを浮かべるカイスがいた。


「カイス様⁉︎

何故、ここに……⁇」


「え?

ミカエルからの招集だよ。

ある世界の均衡が傾いているって。

至急、対処にって言われたけど君らが来てた世界だったなんてね」


すると、頭上を何かが通った。


天使だ。


天使の軍だ。


まさか……⁉︎


「久しいな、シュバルツ」


目の前にワルキューレが姿を現した。


「おば……ワルキューレ様……‼︎」


「随分と頑張ってるではないか。

お前も昔と変わらない」


と言い、シュバルツの頭を撫でる。


「摩訶の家は無事だ」


⁉︎


「向こうの世界から援軍が続々と来ている。

摩訶に縁のある輩はそっちに行っている。

それ以外の力のある戦える奴らはこちらに来ている」


そうか。


それなら、安心だ。


あの場所がなくなったらきっと、摩訶は悲しむから。


「私らは先に行くからな」


と言い、摩訶の方へと向かっていった。


「そうか!

あれを使えば摩訶に近付いても影響が少なくて済む」


と天使を見て言うルナ。


「付加魔術を使う。

とびきり良いやつをな」


「ちょっと待った」


魔術を使おうとするルナを止めるカイス。


「もう一人、約束をしているんだよね」


「待ち合わせ……ですか?」


と言うアレク。


「ったく、お前は」


そこへ吸血鬼の長であるウルドがやって来た。


「悪いな。

俺もアイツの保護者だからな」


と言うウルド。


ルナは再び、付加魔法を行う。


「バリア、キュア、共に最大出力!!」


体を薄い青い膜が覆う。


「回復も任せろ!

他の予備効果も追加していく」


「分かった」


「摩訶を頼んだからな」


「ああ」


と言い、シュバルツは建物の下へ降りた。


ルナを建物の屋上へ残して他のメンバーはも摩訶の元へと向かった。


黒く染まった道路へ。


黒くドロドロとしたものが足元を流れる。


嫌な気配がする。


直ぐに逃げ出したい様な。


その位、ここにはいたくない。


周りを見るともうそこには、人間の姿はなかった。


これは、この街中心で起こっている。


街の郊外には、まだ広がっていない様だ。


だが、これをそのままにしていたら……


ここで食い止めるしか方法はない。


「おい!」


シュバルツが摩訶の姿を見つけた。


その後を追う勇美。


ルナの付加魔術のお陰か。


息苦しくない。


だが、遅かった。


もっと、早くに辿り着いて摩訶を正気に戻すべきだった。


方法が分からなくとも。


勇美は摩訶の目の前に移動した。


立ち止まる摩訶。


「もっと世界を壊したくないの?」


「世界……を……」


「そう。

これは君にしか出来ない事だよ」


と言い、1枚の紙を見せる。


楽譜だ。


「これを歌えば更に君の願いは叶う」


「願い……??」


「やめろっ!!」


二人の間を割るように入ってきたシュバルツ。


「おっと。

僕の影が壊された、か」


攻撃を交わす勇美。


「これ以上、摩訶を苦しめるなっ!!」


「苦しめる??

僕はそんな事をしていない。

これは摩訶自身の思い」


「摩訶はそんな事を望んでいない!!」


「この光景を見てもまだ、そんな事が言えるの?」


確かにこれは、良くない。


「摩訶は、人間だった頃から抱えていた悩みがある。

自分が嫌いな人間の世界で生きていく苦しみやその嫌いな人間の為に働き、生きなければならない辛さを」


「確かに言っていた。

俺もそれを聞いた。

でも、こんな事をする様な事は……」


「だから、だよ」


??


「だから、願ったんだ。

自分の生きやすい世界を作る為に。

人間のいない世界を一から作る為に」


人間のいない世界を一から……??


「一から作るにはまずは、邪魔なものを片付けるでしょ?」


「!?

つまり、摩訶にとって人間が邪魔……!?」


「そうだよ」


勇美はそう言い、ニコッとする。


「……お前はそれを分かっていて……」


「もちろん!

全てはこの計画の為。

たから、君は摩訶の歌を黙って聴いててくれないかな?」


「何だと?」


摩訶の足元に一枚の楽譜が落ちているのに気付く。


まさか!?


カラッ


摩訶は、地面に鎌を落とした。


そして、天を仰いだ。


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