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異世界で奏でる幻想曲  作者: kuh*
帰還
36/52

復習

四人は集まり話し合いを始めた。


まずは、摩訶について。


一通り身体を検査しよう、という事になった。


この世界の病院に行く訳には行かないので、自分達で値を決めて。


「まぁ、それは事実だし。

しょうがないよ」


納得する摩訶。


「あと、あのペンダントはしばらく預かる」


ルナに赤い魔法石のペンダントを渡す。


「力の制御かぁー」


「ああ。

しばらく、俺が付き合う」


そんな力を使ってる感じはしないけど。


「俺は?」


その間、やる事のないシュバルツ。


「お前は見張りな」


「そうだ、それがいい」


と言うアレクとルナ。


まぁ、そうなるよね。


「……ったく、分かったよ」


自分に出来る事が何もなくて凹むシュバルツ。


「大丈夫だよ。

シュバルツにしか出来ない事があるよ、きっと」


摩訶に慰められ笑顔になるシュバルツ。


「分かりやすい奴だな」


「分かりやすいな」


「摩訶、特訓は夜からだ」


「分かった」


「あたしはこの魔法石を調べる」


と言い、ルナは向かいの部屋へ行った。


何か分かればいいけど。


「摩訶、特訓は夜からだが昼間は座学だ」


えっ?


座学だって??


「他にも知っておいた方がいい事もあるだろ?

吸血鬼について」


全く、しっかりしてるなぁー


私は一日勉強なんだね。


「俺、昼間はここにいるぞ?」


と言い、寝転ぶシュバルツ。


「よし、摩訶。

アイツは放っておいてやるぞ」


はぁー


摩訶は溜め息をついた。


「まず、吸血鬼についてだ。

と言っても、大体は分かっているよな?」


摩訶は頷く。


「今回は上級吸血鬼と一般吸血鬼についてのおさらいだ。

上級吸血鬼は序列順に強さが分けられる。

それが自分の吸血鬼としての階級になる」


一位はウルド。


六位がカイス。


そのぐらいしか知らない。


戦っていないから強さは分からないけど。


「序列にはある程度決まりがある」


「決まり?」


「生きた年数はもちろん、貴族であること、血を貰った吸血鬼にもよる」


適当に決めてる訳じゃないんだ。


「例えば序列五位の吸血鬼に血を貰ったのなら……

七位ぐらいになる」


二位落ちるのか。


「でだ。

今、摩訶の力は話しからして序列十位以内の力だ」


!?


「でも……」


「ああ。

次だ」


まだ、何かあるんだ。


「一般吸血鬼について話そう」


一般吸血鬼。


貴族ではなく、一般の市民出身の吸血鬼。


「序列も持たない。

そして、その多くが上級吸血鬼の眷属だ」


二人はカイスの眷属って言ってたもんね。


「それと、吸血鬼には掟がある。

それをこれからは、摩訶にもそれを守ってもらう」


掟??


「まずは、人間から直接血を吸わない。

これは分かるだろ?

実際にシュバルツの血を吸ったのなら」


あの快楽か。


あれに浸り過ぎて人間を殺す程血を吸ってしまうんだ。


「そしてもう一つ。

人間を無闇に吸血鬼にしない」


「何で?」


「吸血鬼は増える事を嫌っている。

だから、吸血鬼の数を増やさないようにしている。

ただし、一般吸血鬼には人間を吸血鬼にする権利を与えられている」


上級吸血鬼には?


「一般吸血鬼は人間を吸血鬼に出来ない」


えっ!?


「ちょっと待って!!

私、シュバルツに血を吸われて吸血鬼に……

シュバルツって、一般吸血鬼だよね!?」


背中を向けたまま何も言わないシュバルツ。


「ああ。

その事で俺はシュバルツに聞きたい事がある」


アレクも知らないんだ。


「お前はワルキューレの出身と聞いて分かった。

となると、貴族だ。

カイス様から血を貰ってるなら序列八位ぐらいだ!」


シュバルツは振り返る。


「違う。

六位だ」


!?


「カイス様と同じ!?」


「何で!?」


さっきの話しだともっと下の筈だ。


「俺は確かにカイス様に拾われた。

だが、カイス様は俺に他の吸血鬼の血を飲ませた。

誰のものか分からないけどな」


「だったら、何で一般吸血鬼になってる?」


「俺は階級なんていられない。

そんな肩書きは」


「都合の良い時だけ肩書きを使って」


「じゃあ……」


アレクは言う。


「摩訶は序列八位相当の戦闘能力を持っている」


!?


「だが今までは、人間の身体だったから制御が効かないのだろう。

そこで、制御出来るようにする為に特訓をつける事にした。

本当はシュバルツがやるべきなんだが、アイツ俺より実践はやってないからな」


なるほど。


「戦力的にはシュバルツにも真面目にやってもらいたい」


「……摩訶がやるなら俺もやる」


よし、俺の作戦は成功だ。


小さくガッツポーズをするアレク。


「それなら、二人でやってもらう」


そして、この日から二人はアレクの厳しい特訓を毎日行う事となった。


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