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異世界で奏でる幻想曲  作者: kuh*
異世界へ
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終わりの始まり

私、桜庭魔訶(まか)二十五歳独身。


前の職場で人間関係で抑うつ状態になってしまった。


それが原因か、人間を嫌いになった。


元々、人と接する事が苦手だったというのもあるだろう。


人混みを避け、外出もしなくなってしまった。


それからというもの、苦手なだけではなく人間に興味すら持てなくなった。


だが、この世界で人間と接しないで暮らしていく事など不可能。


このままではいけない、と思い自分の今の状況、状態と向き合い徐々に回復していった。


なので、今は通院しながらアルバイトをしている。


ここは、誰もが知っているアニメ関係のショップ。


そこに私は現在、勤めている。


少しでも人間に慣れる為に。


ここに来てからは、仕事や人間関係にも慣れてきた。


前の出来事があった為か苦手だった上司が今では、頼れる、信頼のおける上司に。


アニメ関係のショップという事もあって、気の合う人が増えたというのも大きいと思う。


ーーそんなある日。


「明日も宜しくね」


「はい、お疲れ様です」


と店長に言い、退勤した。


今日も疲れたなぁー


毎日、色々なお客さんが来る。


私にとっては、人と触れ合ういい機会。


横断歩道の信号が青になり、渡ろうとしたその時だった。


一瞬だったので、良く覚えていない。


トラックが私に向かって走ってきた。


ドンッとぶつかる鈍い音と急ブレーキの音。


そして、騒めく街の人々。


そこで、私の意識は途絶えた。


あー、そうか。


私の人生はこれで終わりか。


何にもなかった。


結局、人間を好きにはなれなかった。


ここまでなのか。


ーーもっと生きてあの世界で生きたかったなぁ……


すると、暗闇から光が見えた。


とても眩しい。


思わず手を伸ばす。


「んんっ……」


気が付くとベンチに寄りかかって寝ていた。


赤い不気味な月と街灯に照らされている。


確かここは、アルバイト先お店の外にあるベンチ。


あの時、死んだはず。


体には傷はない。


嘘でしょ……


周りには人一人いない。


やけに静かだ。


鳥などの動物も見当たらない。


どうして??


何が起こったのか分からない。


その時、気配を何かの感じた。


振り向くとそこには男が一人いた。


ハルバートを抱えて。


暗いが良くわかる。


耳が尖っていて、口元からチラッと見える小さな牙。


人間にしては白すぎる肌に紅い瞳。


人間じゃない!?


「お前、こんな所で何しているんだ?」


ベンチから離れる。


「見ない顔だな」


と言い、近寄る男。


ちょっ……ちょっと待って!!


心臓がドキドキ……しない??


胸に手を当てる。


えっ??


……おかしい。


慌てて手首の脈をとる。


脈拍がない。


「そ、そんな……

脈拍が……心臓が動いてない!?」


本当に死んだのだ!?


だとして、何で今生きているの!?


「はぁ??

お前、何言ってるんだ??

俺達は吸血鬼なんだ。

心臓が動いてないのなんて当たり前だろ」


えっ!?


「吸血鬼!?」


男は更に、訳の分からない顔をした。


「どうしたんだお前??」


「私………」


吸血鬼なの!?


それも、大事な事だけど確認する事がある。


「ここは……日本??」


「そうだ」


良かった。


いや、良くない!!


と首を振る魔訶。


私は自分のいた西暦を言う。


「ああ、そうだ」


年は合ってるみたい。


じゃあ、ここはどこ??


「人間の姿が見えないけど……」


「人間なら数年前にほとんど滅んだ」


滅んだ!?


「じゃあ、この世界には一体……」


「ここには、吸血鬼など幻想種が統べる国だ。

昔みたいに人間の統治していた時代じゃない」


幻想種。


なるほど。


ここは、日本。


だけど、私のいた日本とは違う。


つまり、パラレルワールド。


人間が滅んだ、っていう過程の世界だ。


でも、ここで何で私が吸血鬼として??


あと、もう一つ気になったのがあの手にしている武器。


「何で武器を持っているの?」


「はぁ!?

お前、それも知らずにこんな時間にうろついていたのかよ!?」


えっ??


すると、背後から地響きが聞こえた。


「ほら、行くぞ」


えっ??


「“夜叉”討伐だ!」


!?


訳も分からないまま、男に手を引かれていった。


その先には、巨大な黒い怪物がいた。


「お前、何も知らないみたいだから教えてやる。

あれは“夜叉”。

人間の悪い信念の塊と言われている。

あれを討伐する。

この世界においての脅威だ」


「討伐っていきなり言われても……」


しかも、人間の悪い信念の塊って。


「大丈夫だ」


男は私に笑顔を見せると、夜叉と呼ばれる怪物に向かっていった。


私は少しの間、その笑顔にみとれていた。


「いっけーーー!!!」


ハルバートで一刀両断。


夜叉は消えた。


す、凄い!!


「まぁ、本気は出してないんだけどな」


これで、本気じゃないとか……


「よし、戻るぞ」


「えっ⁇」


戻るってどこへ⁇


「仲間のところだ。

そんな変な服装じゃ動きずらいだろ⁇」


ロングスカートにカットソー、サンダル。


アルバイト帰りのままだ。


バックもある。


携帯電話は……


画面のアイコンは圏外を示している。


ダメか。


「そういえば、名前を聞いてなかったな。

俺はシュバルツ・ワルキューレ。

カイス様が眷族、一般吸血鬼だ」


「私は桜庭魔訶……」


「そうか。

マカ、行くぞ」


と言い、歩き出すシュバルツ。


兎に角、ここにいるのが危険なのは分かった。


また、あの怪物が来たら私だけじゃ太刀打ち出来ない。


自分が本当に吸血鬼なら着いっていってもまず、殺されないだろう。


と思い、このシュバルツと名乗る男の吸血鬼に着いて行く事にした。


ここから私の物語が再出発したのであった。


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