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異世界で奏でる幻想曲  作者: kuh*
異世界へ
14/52

決意

あの後、シュバルツとルナにイサミとの話しの内容を打ち明けた。


「マカにもそんな事があったのか」


「確かに人間は、一人では力がない。

だが、目的が一致しそれに向かう感情は強いから」


「それでも私は知ったんだ。

ここに来る少し前に」


交通事故が起きたあの時期。


多分、自分が人間を嫌いだと感じるのには違いがあると。


ハッキリしているのだ。


家族など身内、友人、職場の人はいい。


少なくとも嫌いという感情はない。


けど、それ以外の人間とは関わりたくない。


その違いは、理解しているかしていないかだと思う。


家族、友人など自分に関わる人は、どんな性格だとか趣味など話しも気軽に出来る。


どんな人物だか理解しているから。


それに比べて、他人は自分に関わらない。


だから、第一印象や見た目でどんな人だかを決めてしまう。


どんな人物だか理解していないからだ。


余計、恐ろしく感じてしまうのだろう。


「でもね私、人間の好きな所があるんだ。

……自分の知っている誰かと自分の知らない誰かが繋がっていたりっていう人と人との繋がりは好き。

友情も愛情も。

世界は広そうで狭い。

その世界で出会えた奇跡が」


人との繋がりは役に立つことが多い。


会社などならそうだろう。


仕事は特に。


だからこそ、人間と分かり合いたい。


人間を信じる事を取り戻したいと思っていた。


「そうか。

それがマカの答えか??」


「私はこの世界の皆と共に生きたい。

それで、歌の絶えない世界にするよ」


と言うマカの顔を見て


「俺はマカが変えようとしている世界が変わる瞬間を見たい。

マカの隣で」


と言うシュバルツ。


「それ、告白か??」


とシュバルツをからかうアレク。


「ち、違う!!

俺なりの旅の目的だ!!」


照れた顔をしながら言うシュバルツ。


「しばらく……って言ってもあまり日は経ってないが二人共、別れたあの日から少し変わったな」


そうアレクが感じるのはきっと、私が皆に心を開いたからなのかもしれない。


さてと、そうと決まれば!


「これからの事を考えよう」


と言い、ルナはいくつかの案を出す。


「……最悪、イサミというその男を殺す必要がある」


そうなるよね。


この世界にとっての脅威だから。


「楽譜はこの世界にどれだけあるの??」


「あたしは火、水、風、大地の元素の魔術はあると思っていた。

だが、ここには癒し、蘇りとある。

これは通常の魔術では、ありえないものだ」


水は既にある。


って事は、それ以外の三つの元素とその他があるかもしれないのか。


「あと“最後の裁判”と言われている歌だな」


通常の魔術では起こりえない事も出来るのか。


何でそんな歌をこの世界の人間は作ったのだろう?


なんの為に……


「そうなると楽譜や歌、音楽についての捜索も必要になる。

イサミに聞くのが早そうだがそうも行かない」


確かに。


「人間の消滅と夜叉との関係もか」


と三つの案を地面に書くルナ。


結局は全ての要はイサミだ。


「どうするんだ?

アイツには会えそうもないんだろ?」


と言うアレク。


「マカの話しからして、素直に教えてくれそうな奴じゃないな。

だとすると………」


ルナは空を見上げる。


「……天使に会いに行ってみるか??」


!?


て、天使!?


天界に行くって事!?


「天使も吸血鬼と同じく長生きだ。

地上では知らない事も知っている可能性はある」


「けどルナ、天界って……空の上何だよね??」


「行き方が分からないんだ」


やっぱり、そうだよね。


「……待った」


何かを閃いたアレク。


「“竜族”なら分かるかもしれない」


「なるほど!」


と言うシュバルツ。


私には何が何だか分からない。


「確かに竜族も同じだな。

だがあたしは、魔界には詳しくない」


「その為の俺らだろ!」


胸を張るシュバルツ。


そうだ。


このメンバーはただの寄せ集めのメンバーにすぎないが、種族は違う。


それが強み。


その分、情報の幅が広がる。


「そこはどんな所なの??」


「名前の通りドラゴンの住む所だ。

……ってうよりも、ほぼ人間だがな」


「人間??」


「ああ。

ドラゴンの姿じゃ大きくて暮らしには不都合だからな。

普段は人間の姿をしているんだ」


そうなんだ!


それじゃあ、楽しみだなぁー


ルナはマカの様子を見て言う。


「よし、次の目的は魔界にある竜族のところに決定だな」


「うん!」


早く会ってみたいなぁー


どんな所なんだろう。


一同は魔界にある竜族の里に向けて出発した。


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