表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちょっぴり複雑な関係  作者: rion
6/7

【ちょっぴり複雑な関係】

私、天野直美15歳、

高校1年生の女の子。


前回の続きから…


興味無い方はスルーしてね。




どうしてイキナリ

そんな事を言うのか

疑問に思っていると…


和也くんが、

事の真相を話してくれた。


和也くんの説明によれば…


沙織里さんは、

かなりの心配性で、


和也くんが、悪い仲間と

遊んでいるんじゃ無いか?って、

色々詮索してくるんだって…


それが、うるさくて、

イヤなんだとか…


なんで⁈

和也くんが嫌がるのか

私には理解出来ない…


だって、心配してくれてるんだもの

私だったら、嬉しいなって

思っちゃう。


私は1人っ子だし

虐められていたから…

そういうのが、スゴく

羨ましいって、思ってたから…


デモ…今は男の子

取り敢えず、

和也くんの家まで行くことにした。


お家に着いて、

和也くんが、

玄関のドアを開けようとしたら…


ドアの方が開いて…

その勢いで、和也くんが

跳ね飛ばされちゃった⁉︎


私は、その時

あれ⁇

自動ドアだったっけ⁇

なんて、考えてた。


まさか…

そんなはずは無い…


原因は、直ぐにわかった。


『痛ッてぇ〜な』


和也くんの足元に、沙織里さんが、

仁王様の様に立ってた…


『何処行ってたのよ⁈”こんな時間まで⁈』


って、凄い剣幕で捲し立てて…


その問いに起き上がりながら…


『ゲーセンだょ、ゲーセン』


和也くん、余裕で答えて、

お尻をパンパン叩き…


その動作に、カチンと来たらしい

沙織里さんが


『ゲーセンで、

こんなに遅くなる訳無いじゃない‼︎』


まるで、警察官の尋問のように詰め寄る…


なのに、少しも怯まず、


『あぁ…天野と偶然、会って、

今の今まで、ゲーセンで遊んでたから…』


なんて…


沙織里さんは、この時

やっと、和也くんの側にいる

私の存在に気がついたみたい…


『本当⁈』


だなんて…

戸惑い気味に聞かれたけど…

言葉と目付きが合ってない…


すんごく、怖いんですけど…


私は何やら分からない恐怖に駆られて…

首を縦に振ることしか出来なかった…


暫しの沈黙の後…


まだ、少し疑いの眼差しで

見詰める沙織里さん、


和也くんの頭をバキッてグーで殴って、


『もぅ…心配したんだからね〜』

って笑って、


(今の音…痛そう…)

和也くんは、叩かれた場所を摩ってた…


どうやら、この1件は済んだみたい…

なので、早々に退散しょぅとしたら…


沙織里さんに呼び止められて…

夕飯を一緒に、どうか?って…


答えに詰まっていると…

和也くんまで…

迷惑かけたって…言って来て…


うーん…と、迷っても、

2人のお誘いを断る理由が見当たらなくて…


結局、夕飯を、ご馳走になる事に…


今度、通された部屋は…

かなり広いダイニングとキッチンがある…


和也くんは学生服のままだったので、

着替えて来ると、奥の部屋へ消えた。


沙織里さんは、

キッチンで食事の準備に取り掛かっていて…


その辺、適当に座っててって

言われた私は、

この広い部屋をキョロキョロしていた。


私の実家なんて、

足元にも及ばないくらい

広い部屋を見渡していたら…


サイドボードの上にある

写真立てが瞳に入ったの…

側まで行って手に取ると…


写真の中に、

沙織里さん、和也くんの他に

見知らぬ男女が…楽しそうに写ってた。


それを見て、ピンと来た。

これって…ご両親…って、

ココロまで、

暖かくしてくれる写真だった。


やがて、和也くんが、戻って来て、

それとほぼ同時に沙織里さんが…


『出来たわよ〜』って…


進められるままに

食卓のテーブル席に着いて…


さっきまで、何も無かった

テーブルに乗った


フランスパンやサラダや

シチューたちを眺めていたら…

『どうぞ、召し上がれ。』

って、言われちゃって…


少し緊張しながら、

シチューに、口を付けた。


うわぁ〜美味しい


フッと斜め前に座っている

和也くんを見ると…


無言のまま、

シチューをガツガツ頬張っていた。


うぅ〜大胆な食べ方


男の子って、ああやって食べるのかぁ〜。

私には無理そう…


その右隣を見ると…

これまた、おしとやかに

沙織里さんが食事していた。


あっ…絵になる…

なーんて、見詰めていたら…


『お口に合わなかったかしら〜⁈』

なぁ〜んて、


違う〜


『ぃッ‼︎ いいえっ⁉︎

とっても、美味しいデス‼︎』


慌てて答えると…


『無理しなくて、いいんだぜ〜

姉貴、料理下手だから。』


だなんて和也くん…

誰もそんな事、言ってない…


『悪かったわね〜下手で!

アンタの、くちが、オカシイのよ‼︎』


和也くんを、睨み付けた後…


私にニッコリ笑いかけながら…


『良かったら、どんどん食べてね。

お代わり、あるから…!』


ハハハ…恐い…


でも、そんな2人のやり取りが、

ちょっぴり、羨ましいかな…



それから…1時間くらいかけて、

ゆっくり食事…


食後のデザートまで付いて…


(イチゴのムースと紅茶)


とっても、美味しかった。


それに、お喋りもたくさんした。


私は、気になってた、

写真立ての事を聞いてみた…


沙織里さんが、言うには…


お父様は外交官のお仕事をしていて、

現在、アメリカに、お母様と

住んでいるとかで…

日本の家は、学校が変わりたく無い

沙織里さんの為に、

留守番がてら、

2人で、住んでいるんだって…



すっご〜ぃ


私の事も聞かれたので…


1人ッ子で、

父が以前、仕事で借りてた

マンションに、

家族と離れて住んでいる…とか…


成るべく、当たり障りの無い

話をしたら…

和也くん、自分も1人暮らし、

したいとか…ボヤいてた…


当然、沙織里さんに

怒られてたけど…(笑)


まるで、漫才コンビのよう…


その日、私は、人前で

初めて声を出して、本気で笑ったw


こんなに楽しぃ食事は初めてで…、


玄関先に、お見送りしてもらい…


楽しい気分で家路に着いた。


次の日、

学校でのスケジュールをこなし…

男の子になり、ゲームセンターヘ…


時間潰しに

何かゲームしょうか、と思い

自動両替機の前で、

500円玉を入れた時…


急に後ろから…

肩をポンと叩かれた。


振り向くと、そこには…

私より、約10㎝ほど、背が高い

和也くんが、立っていた。


こうして私達は、

何度目かの偶然で、

友達になっていった…


勿論、

女の子の男の子と、

本物の男の子の男同士の

奇妙で変な友達だけど…w


上杉家に遊びに行く事も、

偶にあり、


和也くんの部屋もお邪魔した。


男の人の部屋って、初めて見た。


意外にスッキリと

片付いていたのには、驚いたw。


和也くん、マメ、なのかな⁈


そして、

上杉さん姉弟は、

私が、女の子だと気付かずに…


(本当、我ながら、凄いと思うw)


彼らと出会って、3ヶ月…


私が、男の子になって、

5ヶ月が、過ぎようとしていた…


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ