私は絶対ちょろくない!
仕様をよく理解しないまま短編選んでしまった。いちおう毎日続ける予定なので、連載で改めて投稿しましたので、こっちでよろしくお願いします。
http://ncode.syosetu.com/n1370di/
私、片倉ナギサは風紀委員だ。
学校の風紀を守る風紀委員として、最近頭を悩ませているのは生徒たちの買い食い。放課後、帰り道でコンビニや飲食店で食べ物を買う生徒が多くて困っている。
「おーい、ナギサー」
「……? どうしたの、ダイチ」
「いやー、何か難しそうな顔してるの見えたからさ。また風紀委員の仕事でも考えてたのか?」
そうやって話しかけてきたのは大隅ダイチ。私の幼なじみだ。
いつも能天気そうにヘラヘラ笑っていて、人生楽しそうな奴である。もちろん風紀を乱す側の人間だ。
だから私は風紀委員としてガツンと言ってやる。
「ええ、買い食いしてる生徒が多いの。校則でも放課後は速やかに帰るべしって書いてあるし、買い食いなんてーー」
「ところで、新しいクレープ屋ができたんだってよ。放課後行こうぜ」
「クレープ!? 行く行く!」
……あ。
クレープという言葉に、反射的に目を輝かせて反応してしまった私を、ダイチはにやにやと笑っていた。しまったと思っても時既に遅し。
「お前、ホントにちょろいなぁ」
「私は、ちょろくない!」
……結局、クレープは食べに行きました。
仕方ないじゃない、クレープ好きなんだもん。