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探偵と折れかけたフラグ

「フラグとか訳のわからない事を」

「いや、まぁ確かにそうなんだけどさ」


 上手く考えが纏まらず、いや考えがあるわけではないのだけど、何時迄もブツブツと呟き、クシャクシャと頭をかいているわけにもいかない。


 昨日の夜の事をロボ和歌子初号機に相談してみたところ、一言で切り捨て、さらに切り込んできた。


「フラグたてたら、恋愛出来るとか、所長本気で思っているんですか?」

「思ってないよ、と言うか話ズレている気がする」


 恋愛云々の話をしたつもりじゃないのだけど、どんな風に解釈したら、和歌子お嬢さまとの恋愛フラグのお話になるのだろうか、しかし、そんな僕を尻目に、やれやれとばかりに首をふる。


「所長知っていますか、フラグたてて何かが起こると言うのは、現実世界ではあり得ないぐらいあり得ないと言うのが、常識なんですよ」

「そうだけど、そうかもしれないけど、気になるんだよ、つまらない正しさが浪漫を叶えるって」

「お嬢様の言うことを真に受けて、起こっていない殺人事件の捜査している、間抜けな所長らしいですね」


 間抜けって、否定できないのも辛いが、言い返したところで、さらに切り捨てるような言葉が、かえってくるに違いない。


「所長の恋愛フラグより、つまらない正しさと言うのが、何を指しているかが問題だと、助手として提案します」


 恋愛フラグとか言い出したのは、助手のロボ和歌子初号機の方なんだけれど、納得いかない部分もあれど、一緒に考えてくれるのであれば、不満とかその他諸々を飲み込まざるを得ない。


「そのフラグめいた会話から、ある程度予測するとしたら、犯人をある程度お嬢様が予想したか、面白いだろうと思ってノリで言ったかのどちらかですね」

「犯人の予想がついてるなら、動機はつまらない正しさって事だよね」

「額面どおりに受け取るとしたら、その犯人は、真面目に生きているという事になりますね、まぁお嬢様と所長以外真面目に生きてますから、全然犯人を絞りこめませんね」


 お嬢様が真面目に生きていないかはさておき、事件に関して、進歩するような気配もあったのだけれど、ロボ和歌子初号機の指摘に、確かに容疑者が全然減っていない。


「ノリでフラグめいた会話にしたという所が、妥当という事でしょう」

「そうかもね」


 納得するような事だ、和歌子お嬢様の一夜の戯れのような話だし、和歌子お嬢様は、フラグめいた会話をしようとしていたのだから、お嬢様が犯人に繋がる事を、伝えようとしていたなんて、考えすぎもいいところなのだろう。


 そう思っても、助手のロボ和歌子初号機の言葉に、イマイチ納得のいかない口ぶりで、口だけは肯定の返事をしながらも、僕は心の何処かで、本当に、考えすぎもいいところなのかと、フラグをたてていた。

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