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第一章 命繋ぐ出会い2

                  ◇シャープエッジ◇



目を覚ますと私はベットの上にいた

気を失っている間に誰かに運ばれたのだろうか?


見たことのない場所なのは確かだ

なら警戒しておくに越したことはないだろう


ホークアイ教官はどんな時でも目を覚まして最初にやることは状況の把握だと言っていた


(シャープエッジ)

(まずは自分の状態だが、傷口の上に包帯、それに知らない服を着ているか)


(シャープエッジ)

(それに気配は下に一人、そしてこちらに向かいつつあるのが一人)


そして見知らぬ場所に


(シャープエッジ)

「知らない天…」


がちゃ


[想次]

「目が覚めたのか」


誰か「テンプレ乙」と言った気がするが気のせいだろう


(シャープエッジ)

「お前は?」


敵意は感じないが知らない人間だ、警戒するに越したことはないだろう


(想次)

「俺は高峰 想次だ、それにしてもなんだってあんなとこで行き倒れになってたんだ?」


行き倒れ?、私は気を失って倒れていたのか


(想次)

「おっと、それよりメシの方が先か、おかゆ作ってきてるんだけど食うか?」


記憶を辿ろうとして考えに集中してたためか高峰という男が気まずそうに話題を変えてきた


だがおかゆというものは聞いたこともない


(想次)

「えっ、おかゆ知らないの?」


知らないものは知らないとしか言えないが、そのおかゆとやらから漂う匂いは私のお(おなか)を刺激する


(シャープエッジ)

「それよりも私の荷物はどこだ?」


こんな時は荷物に入ってるあれを飲むに限る


(想次)

「ああ…、お前の服に色々と入ってたからそこにまとめて置いてるぜ」


私は荷物から小さいケースを取り出してその中からBB弾サイズの黒い丸薬を一粒出して口に入れた


(想次)

「あの…、おかゆいらない?」


(シャープエッジ)

「食うかと聞いたと言うことはおかゆというのは口に入れるものなのか?」


(シャープエッジ)

「私は教官から支給されるこの丸薬を定期的に飲むだけで他に口に入れるものは水くらいしか知らなかった」


事実、物心ついてからはこの丸薬と水以外は口に入れたこともない


ホークアイ教官によれば組織の方針で規定量の丸薬を与えることしか許されなかったそうだ

ホークアイ教官は食を完全に管理することで生殺与奪の権利を握り、組織から逃げたり裏切ったりする可能性を完全につぶすためだと言っていたことがある


私としてはホークアイ教官に従っていればよかったので気にもしていなかったが


(想次)

「知らないなら一口食ってみるか?」


(シャープエッジ)

「どうやって食べるのだ?」


なぜか愕然とした高峰という男の顔には「ああ…、前途多難とはなんて素敵な四字熟語」と書いていた気がするが気のせいだろう



                      ◇ ◇ ◇



結局おかゆは


(シャープエッジ)

「何だか水っぽい、でも食べれないわけじゃない」


と言うことで完食してもらえた

和風だしが食欲を刺激したのが良かったのだろうか


その後で母さんも上がってきてシャープエッジから色々と聞き出すことになった


(母さん)

「それじゃ、あなたの家はどこにあるのかしら?」


(想次)

(そうだよな、家あめならがいつまでもおいとくわけにもいかないよな、なんで気がつかなかったんだろ?)


(シャープエッジ)

「家…、家とは何?」


(シャープエッジ)

(家という言葉はターゲットの居場所として聞いたことがあるだけ、他にも意味があるの?)


(母さん)

「家もわからないの?、家とはあなたの帰るべき所で眠って疲れをとる所よ」


(シャープエッジ)

「眠って疲れをとる所、地下宿舎のこと?、それならもうないことが確定している」


(想次)

「もうないことが確定してるって…」


そのまま話しを続けてシャープエッジから色々と聞き出そうしたがシャープエッジは自分のことになると渋ってなかなか話さなかった


(想次)

(とは言っても母さんのペースで話しが進んだらずっと母さんのターンだもんな)


結局シャープエッジは自分のことも組織のことも洗いざらい話すことになってしまった


(想次)

「赤子を攫う暗殺組織なんてマンガの中だけの話しだと思ってたぜ」


(母さん)

「ほんとにひどいことをするものね」


(想次)

「ってことはお前、世の中のことを何にも上に帰る家もないってことか」


(シャープエッジ)

「そうなるな、家はさっき話した通りだし世の中のことを知る必要もなかったからな」


(母さん)

(いけないわね、このままじゃいけないわね)


(想次)

(帰す家もねえしここのでものを知らねえやつを放り出すわけにもいかねえな)


(想次)

「しゃあねえな、見ての通り姉さんの部屋が空いているしこのままここで暮らすってわけには…」


(母さん)

「了承」


(想次)

「いくのかよ、そんなにあっさりと」


(母さん)

「だって私もそれが一番だと思ったもの」


(母さん)

「いっそのこと家名の同じ親戚ということにしてしましょう」


(母さん)

「そうなるとちゃんとした名前が必要ね」


(シャープエッジ)

「名前ですか…?」


(母さん)

「そうよ、シャープエッジなんて二つ名じゃなくて一人の人間としてのちゃんとした名前が必要よ」


(想次)

「まっ、確かにな」


(母さん)

「親戚なんですから苗字は高峰でいいとして名前をなんにしようかしら」


(想次)

「そう言えば名前と言えばそのシャープエッジって二つ名はどんな意味でつけられたんだ?」


想次の言葉を聞いてシャープエッジは荷物からいくつかの部品を取り出して組み立てるとセラミックブレード(非金属の小剣)が出来上がった


(シャープエッジ)

「これで任務をこなしたらシャープエッジと呼ばれるようになった」


(母さん)

「そうなの、でも法に触れるようなことは駄目よ、ばらぱらにして持ち歩くならともかく組み立てて使っちゃったらアウトね」


(母さん)

「だからあなたはこれからは何があってもこの刃を使わないようにして生きていかなくちゃいけないの」


(シャープエッジ)

「それは命令か?(助けてもらったのは確かだし聞かないわけにはいかないだろう)」


(母さん)

「命令と言うかお願いね、さすがに警察沙汰になったらフォローは出来ないわよ」


(シャープエッジ)

「お願い…」


(シャープエッジ)

(命令とお願いの違いはわからない、だけどこの人たちに救われなければ私は生きてはいなかったしホークアイ教官の最後の命令を果たすことも出来なかった)


(シャープエッジ)

「努力してみる、だけど法に触れないなら部品の状態で持ち運びしてのいいのだろう?」


(母さん)

「それはそうなんだけどね、どんな時でも刃に頼らないで切り抜けられる心の強さを持ってほしいのよね」


(母さん)

「だからあなたの名前は(しのぶ)よ」


(シャープエッジ)

「忍…、私の名前?」


(母さん)

「そう、心に刃をしまうで忍、高峰 忍がこれからのあなたの名前よ」


(シャープエッジ→忍)

「高峰 忍…、私の名前…、私の名前か」


(母さん)

「どお、気に入ってくれたかしら?」


(忍)

「わからない、けど不満はない」


(想次)

「まだまだ色々とありそうだけどとりあえず一段落ついたかな」


(想次)

「よろしくな忍、これからは一緒に住むんだから俺のことは想次と呼んでくれ」


(母さん)

「私のことはお母さんでもママでも好きなように読んでくれていいのよ」


(忍)

「ああ、よろしく想次、お母さん」


(母さん)

「それはそうととして想次、学校の宿題はちゃんとやったの」


(想次)

「あっ…、いっけね、今日は勉強会の予定があったからまっずぐ帰るはずだったのに、やっべえ」


想次は急いで自分の部屋に戻って携帯をチェックした

予想通りメールが届いていた


覚悟を決めてメールを開くと


(メール)

「勉強会をすっぽかすなんていい度胸してるじゃない、明日覚えてなさい by楓(かえで)


と書いてあった


ちなみに楓とは同じクラスの幼馴染のことである


(想次)

「あっちゃあ、明日相当やばいなこれ」


改めて覚悟を決めてまずは宿題の山を片付けることにした

宿題を終わらせて寝ることが出来たのは日付が変わってからのことだった

誤字・脱字の類があれば遠慮なく指摘してください(恥をかいてることを知らない無知より指摘される一時の恥を選びます)

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