第七章 遥と忍と血塗れ爪2
◇ ◇ ◇
折枝を狙った鋼の爪は…
一本のセラミックブレードによって止められていた
視点はそのままセラミックブレードから腕に、そして肩に移りその姿を現す
(遥)
「忍ちゃん…、どうして」
(忍)
「この辺朝練のコースです」
(遥)
「朝練?」
(折枝)
「基礎鍛錬ですよ、組織のクラス所属者は全員体育会系部活の人が裸足で逃げ出す程厳しい鍛錬を準備体操として毎日やってるんですよ」
(忍)
「だから組織がなくなっても基礎鍛錬はやらないと体の調子が悪くなる気がする」
(忍)
「違う?」
(ブラッティクロー)
「ちげえねえ」
(忍)
「そして近くで殺気を感じて駆け付けたわけね」
(忍)
「この殺気は印象が強くて忘れられない、ブラッティクロー以外ありえない」
(忍)
「こんな殺気まき散らして、組織がなくなっても変わらない」
(ブラッティクロー)
「こんな楽しいこと止められるかよ、血だ!血だ!、もっと血を浴びせやがれ!」
(ブラッティクロー)
「シャープエッジ、てめえの血ならなおのこと最高だ、ヒャーハハハハハ!」
忍とブラッティクローはお互いの武器を弾いて距離をとる
(忍)
「もうわたし達は暗殺者にならなくていい、でもさんな言葉は意味がないのだな」
(ブラッティクロー)
「たりめーだ、俺は殺したくて殺してんだ」
(ブラッティクロー)
「体中煮えたぎるほど熱くなって血がブシューと吹き上げるとこを見てえんだよ!」
(折枝)
「私達はまだ暗殺者として人を殺さないといけないようですね」
(忍)
「でもこれで最後、そうでないともっと沢山の人が死ぬ」
(ブラッティクロー)
「力ずくで止めるってか、やってみろよ!」
忍とブラッティクローは両手に武器を構えて一気に踏み込んで距離を詰める
そのまま相手の急所を狙って右手の武器を振るうがお互いに左手の武器で止められる
お互いに二振りの剣と爪を振るい受け止めるが僅かに忍の方が速いのかブラッティクローが少しずつ後ろに下がっている
その最中にブラッティクローを掴もうと折枝がちょくちょく手を出してくるのでブラッティクロー時として大きくバックステップして避けることを余儀なくされる
そうして時間がたつ内に
(鷹目ラーメン店員)
「いた、あそこだ」
(自警団団員)
「遥さん、大丈夫ですか」
鷹目ラーメンの道長の誘導で増援が到着した
(ブラッティクロー)
「ちっ、このままじゃつまらねえことになりそうだな」
(ブラッティクロー)
「これからがいいところだってのによ」
(忍)
「ブラッティクロー」
(ブラッティクロー)
「シャープエッジ、てめえは俺が殺してやる」
(ブラッティクロー)
「俺がこの手でぶち殺してやるぜ、ヒャーハハハハハ!」
ブラッティクローはそう言い残して家の塀に跳び乗り更に屋根の上に跳んでそのまま逃げ出した
(遥)
「なんなのよ、あれじゃ追えないじゃない」
(忍)
「大勢で追ってもあまり意味はないかもしれない」
(忍)
「わたし一人でも追うべき?」
(折枝)
「止めた方がいいんじゃないかな、狙いを高峰に絞ったみたいだし」
(忍)
「わたしを狙うとわかっているならそれなりに備えが出来るということ?」
(折枝)
「うん、忍にGPSの送信機を持たせてピンポイントロードの道長にブラッティクローの出そうな位置を読んでもらってマスターの狙撃で仕留めてもらうことも出来ると思うし」
(忍)
「確かにその方法は出来ない理由がない」
(折枝)
「高峰、一人で背負い込むつもりじゃないだろうな?」
(忍)
「えっ…」
(折枝)
「確かにブラッティクローは高峰一人に狙いをつけたかもむしれないけどブラッティクローのことは私達Bクラス全員の問題だよ」
忍はその言葉で今そのことに気がついたようなはっとした表情になって
(忍)
「あっ…、う…うん。そうだね、これ以上犠牲者が出る前にわたし達でなんとかしないとね」
(遥)
「さすがに一度引っ込んでからいぐに事件を起こすとは思えないし一度戻りましょうか」
その時義明が何人かの元Bクラスの者たちを連れてやってきた
(義明)
「おおーい、無事か」
(折枝)
「マスター、はい、高峰のおかげで無事です」
(義明)
「そうか」
(折枝)
「ですがブラッティクローには逃げられましたし、それに今度は高峰を狙うつもりのようです」
(義明)
「そうか、なら忍、想次にこれを渡しといてくれ」
(忍)
「これは?」
(義明)
「奏はあまり外に出ないだろうから巻き込まれないと思うが想次は万が一にでも巻き込まれるかもしないからな、お守りだ」
そう言って義明はズシッと重くて細長い箱を忍に渡した
(忍)
「わかりました、このまま家に帰ってお兄ちゃんを起こすついでに渡してきます」
(義明)
「それと放課後店に寄ってけ」
(忍)
「わかりました」
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