第六章 不吉運ぶニュース
◇高峰 想次◇
学園祭の翌日の朝のこと
(想次)
「おはよー」
(楓)
「おはよー」
(忍)
「おはよう」
(樹)
「昨日のコスプレ喫茶は大当たりだったな」
(今日子)
「でしょでしょ」
(楓)
「鷹目ラーメンはあっという間に売り切れたし、もしかして学園祭で一番売れたかもしれないわね」
(遊馬)
「ほんとにそうだね、みんなも頑張ってたし」
(忍)
「うん、お兄ちゃんもわたしも頑張っていた」
(今日子)
「そうだねー、ってお兄ちゃん？」
(樹)
「お前、いつそんな呼び方に？」
(想次)
「学園祭で二人でぶらぶらしてた時だけど」
(楓)
「忍にとってここの学園祭は初めてだからね、想次と一緒に行動するのが一番だと思ったのよ」
(樹)
「なんで俺に忍ちゃんの案内をやらせなかったんだよ」
(楓)
「だぁれがけだものにカモとネギを与えるもんですか」
(樹)
「差別だー」
(想次)
「いや、妥当だと思うぞ」
こういうことがよく分かっていない忍以外のみんながうんうんと頷いてる
もっとも樹を弄り倒した後はその目はそのまま俺達をじろじろと見てるわけだが
(今日子)
「でもよく見るとこの雰囲気は…」
(遊馬)
「ご馳走さまというやつかな」
(樹)
「お前、確か忍ちゃんとは親戚とか言ってたよな」
(楓)
「確かに親戚とは言ってたけど」
(今日子)
「親兄弟とは言ってないしぃ」
(遊馬)
「血が繋がっていなければＯＫですよね」
(樹)
「そこらへんどうなんだよ！、忍ちゃんと血が繋がってんのか！、ねえのか！」
(忍)
「お兄ちゃんとは血縁関係じゃない」
(想次)
「うん、少なくても血は繋がってないな」
ピシッ、ガラガラガラガラ…
(遊馬)
「あっ、樹くんが真っ白になって崩れた」
(楓)
「ほっときましょ、遅刻の一回や二回で影響が出るわけじゃないし」
１２月１５日
期末テストが終わった翌日はなかなか起きれないもんだ
ましてややたらと寒い朝となれば尚更起きにくい
(忍)
「お兄ちゃん、お兄ちゃん起きて」
(想次)
「う、う～ん(ごそごそ)」
(忍)
「あー、ますます布団に潜り込んでる、起きて(ゆさゆさ)」
(忍)
「どうしよう、布団はがそうかな…」
(忍)
「お兄ちゃんのあったかい布団…」
(忍)
「………」
なんかごそごそしてるような
それに何だか寒くなったような…
(忍)
「えへへ、あったかい」
(忍)
「お兄ちゃん(さわさわ)」
なんか触ってきてる、つーか潜ってきてね？
潜…ってきてね…って何が？
俺ががばっと起き上がると俺の蒲団に潜り込んでる忍に気がついた
(忍)
「えへへ残念、でもお兄ちゃん起きた」
(想次)
「忍…、おっおま…、お前な」
ある意味ものすごく頭の痛いことなんだけど
(想次)
「年頃の女の子が朝から男の蒲団に潜り込むなんてことをするんじゃない」
(忍)
「起きないお兄ちゃんが悪い、それにあったかそうだった」
(想次)
「だからと言って男の蒲団に潜り込むなんて」
(忍)
「このやり方なら起きるんだ」
(想次)
「おっ、おいちょっと待て」
話しを聞いてねー
(忍)
「明日からは最初からこのやり方で起こそう」
そう言う忍の顔何だか嬉しそう
なんだか…
(想次)
「ちょっと待てー！」
俺の話しを聞けー
◇ ◇ ◇
部屋でどたばたした後制服に着替えて用意をしてから一階に下りた
(想次)
「おはよー」
(奏)
「おはよう」
(忍)
「お兄ちゃんおはよう」
今日の朝食はベーコンエッグトーストだ
パンをかじりつつ朝のニュースを聞いていたら不穏なニュースが聞こえてきた
(アナウンサー)
「昨夜友咲市桜ヶ丘町倉庫街で見つかった変死体ですが、警察はこれを猟奇殺人の可能性が高いとして慎重に捜査に臨むことになりました」
その変死体というのは全身切り刻まれていて身元の確認をとることが難しいほど血塗れになっていたそうである
(忍)
(全身血塗れの惨殺死体…)
忍はニュースを聞いてすぐにブラッティクローのことが頭を過ったが
(忍)
(まさかな、いや、一応ホークア…鷹目ラーメンのマスターに確認しよう)
(忍)
「ご馳走さま」
(想次)
「それじゃ忍、そろそろいくか」
(忍)
「うん、お兄ちゃん」
(想次・忍)
「行ってきまーす」
ちなみに通学路にいつもの面子が合流した時に今日子がネコミミが入ってるように見える帽子をかぶっていた
しかもピクピク動いてネコミミが入ってるように見えるという変に凝った代物だった
なんでもゆめ〇あのコスプレコーナーにあったらしい
誤字・脱字の類があれば遠慮なく指摘してください(恥をかいてることを知らない無知より指摘される一時の恥を選びます)
