表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/26

第五章 忍と学園祭4

                      ◇ ◇ ◇



(義明)

「へい、鷹目ラーメンお待ち」


二つのテーブルに分かれた俺達の前に人数分の鷹目ラーメンが置かれていた


(遊馬)

「ほんとにいいんですか、これ全部奢りなんて」


(楓)

「一番の目玉商品じゃないんですか」


(義明)

「いいっていいって、ラーメン屋は趣味てせ゜やってるようなもんだからな」


(楓)

「趣味…、ですか?(こんなに美味しいラーメンが趣味だなんて)」


(樹)

「お店が趣味ならさ、奢ってもらったついでにお願いしたいことがあるんだけど」


(楓)

(ここで切り出すの、なんか図々しくない)


(樹)

「いいだろ」


(義明)

「お願いって何なんだい」


(樹)

「今度学園祭でコスプレ喫茶ってやつをやるんだけどそれのメニューの一つとして鷹目ラーメンを出してもらえないかなと思って」


(義明)

「ほう、学園祭でラーメンか…」


(義明)

「そのコスプレ喫茶ってのに協力してねやつはいるのか」


(想次)

「オリの母さんがすげえ勢いのノリノリでコスプレ関係の手配をしてるぜ」


(義明)

「奏のやつが、そりゃあ…あいつらしいな」


(楓)

「あれ、マスターは想次のお母さんとお知り合いなんですか?」


(義明)

「まあ、色々とあったんだが今は話せねえな(話すとすれば想次とシャープエッジ…いや忍のやつだけだろうな)」


(義明)

「それより、どうして自警団で保護した子にラーメンを奢るかわかるかい」


(想次達)

「いいえ」

「全然」

「ちっとも」

「検討つきません」


(義明)

「それはな、鷹目ラーメンが魔法のラーメンだからだよ」


(楓)

「魔法のラーメン?」


(女子高生)

「ふぅ~、美味しかったー、ご馳走様」


(義明)

「あいよ、もう大丈夫そうだな」


女子高生はとびきりの笑顔になっていた


(女子高生)

「こんな美味しいラーメンを食べさせてくれてありがとうございます」


(義明)

「自警団保護される子って体のダメージもあるけどそれ以上に心のダメージがあるからな」


(義明)

「そんな時は泣く子も笑顔に変える魔法のラーメンの出番さ」


(楓)

「笑顔の魔法ですか、いいですね」


(義明)

「お前達、学園祭は目一杯楽しめるか」


(楓・樹)

「はい」


(義明)

「この鷹目ラーメンがあればもっと楽しめるか」


(想次達)

「はい」

「もちろん」


(義明)

「なら喜んで協力させてもらうぜ」



                    ◇高峰 想次◇



鷹目ラーメンに学園祭の協力を取り付けることが出来た俺達は帰ることにしたが…


(義明)

「あー、想次と忍、お前達はちょっと残ってくれないか」


(忍)

「私も話したいと思ってた」


母さんのことや忍のことと色々聞きたいことがあるからそれは望むところだが


(想次)

「別にそれはいいんだけど、何で呼び捨て?」


(義明)

「そりゃじきわかるって」


(義明)

「それと今日はもう店じまいだから誰かその娘(女子高生)を家まで送ってやってくれないか」


(樹)

「それなら俺一人に送らせてください」


(楓)

「いいえ、私たち(・・・)に送らせてください、こんな狼に送らせるなんて真似出来るわけないでしょ」


(義明)

「そうかい、よろしく頼む」


そうして店の中は店員と俺達二人だけになった


(義明)

「これでやっと腹を割って話せるな」


忍は金髪のウィッグをとりながら答える


(忍)

「はい」


(義明)

「よく生きてたな、シャープエッジ…いや高峰 忍」


(忍)

「ホークアイ教官こそ生きていてくれたのですね」


(義明)

「あの程度のことで死んでたまるかよ、あれ以上の危険なんていくらでも越えてきてら」


(想次)

「このラーメン屋の主人は前に忍が言ってたBクラスの教官だったってわけか」


(店員A)

「それにしても、ウィッグをつけてたとはいえシャープエッジだなんて全然気づかなかったな」


(店員B)

「そうね、金髪のカツラだけじゃなくて、なんて言うか…雰囲気がまるで別人だったもの」


(忍)

「みんなも生きていて良かった」


(店員A)

「こいつは驚いた、組織にいたときはそんなセリフ考えもしなかったぜ」


(義明)

「まあ…生きていて良かったのは確かだけど何人かは残念なことになっちまってるし、何人かはまだ見つかってないんだ」


(忍)

「そうですか」


(義明)

「だからまだ見つかってないやつらを見つけてみんな普通の人間として暮らしていけるようになるまでちゃんと面倒を見ようと思う」


(義明)

「奏のやつには悪いけどそこまできっちりとやることが教官としての責任ってもんだと思うしな」


奏って母さんのことだろ、それにその呼び方ってことはどう考えても


(想次)

「あんたが俺の父さんってことか?」


(義明)

「そういうことだ我が息子、って驚くのはそこか?」


(想次)

「いやぁ、そこが一番びっくりしたよ」


(義明)

「いやいや、忍から話しは聞いてんだろ、だったらもっと驚くと言うかビクビクするところじゃねえのか?」


(想次)

「んっ、もしかして忍のクラスメートのことか」


(想次)

「そりゃ、どいつもこいつもやろうと思ったら人の一人くらいどうとでも出来るんだろうけどそんなつもりはないんだろ?」


(店員A)

「もちろんです」


(想次)

「ならビクビクすることないし」


(義明)

「お前、そういう肝の太いところは奏によく似てるな」


(店員B)

「面白い人ですね、なんか興味が出てきますよ」


店員Bの女の子が興味深げに俺をじろじろと見てるのに気付いた忍は俺にビトッとくっついて面白くなさそうな顔をしている

なにやってんだ


(想次)

「どうしたんだ」


(忍)

「別に…」


何かその様子を見てくすくす笑ってるやつもいるしわっかんねえの


(想次)

「そういやずっと昔から単身赴任なんて言ってたけどどうしてなんだ?」


(義明)

「そりゃ、こんな裏の世界のことなんて知るだけで巻き込みかねないからに決まってるだろ」


(想次)

「じゃあ母さんは父さんのこういう仕事のことは」


(義明)

「知ってるどころじゃねえんだよな、これが」


(義明)

「信じられるか、奏のやつ俺が暗殺者だと知って出てきた言葉が「結婚して」だぜ」


(想次)

「母さんらしいというか、さすが母さんと言うべきか…、どっちにしても他に言いようがないね」


色々とつもる話しもあって家に帰った時には夕食の時間を大きく過ぎていた

誤字・脱字の類があれば遠慮なく指摘してください(恥をかいてることを知らない無知より指摘される一時の恥を選びます)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ