学術都市ダラムアトル
そして僕達は死神モトや妖鳥ネヴァンを倒して、ダラムアトルへと辿り着いていた。あの2人は相当強かったらしくて、僕達のレベルは少しずつ上がっていた。
【朝比奈揺 Lv.17 種族;人間 職業;聖剣使い(改) HP;480/480 MP;320/320 加護;ルルリエルの加護
姫 Lv.17 種族;獣人(狸族と狐族のハーフ) 職業;呪術師 HP;340/340 MP;640/640
紅葉 Lv.17 種族;リッチ 職業;希望の魔法使い HP;116/116 MP;6300/6300
ユリエル・アトラシ Lv.19 種族;人間 職業;二刀流 HP;390/390 MP;210/210】
これでようやく僕と姫や紅葉のレベルが追いついた……。僕が感じていた2人に迷惑をかけていると言う感覚もようやくなくなったようで良かった。ユリエル姫とのレベル差は今のような感じでモンスターを倒して行けば良いだろう。
問題としてあげるとしたら、大剣だろう。
折角、大剣の技術力を向上させるための加護をルルリエルさんから貰っているのにも関わらず、聖剣のスキルだけ上がっても意味はないのだ。大剣もヴェルモットクエイを倒した時に手に入れた大剣アザゼラクトがあるのだから、使わない手はない。ダラムアトルではその辺りを中心的にやって行こう。
「―――――――さぁ、ここがダラムアトルで一番綺麗な風景が見られる場所だ」
眼馬さんが「少し宜しいだろうか?」と言って僕達を連れて来たのだ。少し小高い丘へと登っていた。正直、モトやネヴァンの戦いでかなり体力を消耗しているので、出来るならば宿屋で休みたいが、僕達はまだこの街にあるギルドに報告をしていない。
遠足は帰るまでが遠足と言う言葉があるように、ギルドに報告するまでが依頼だ。だから依頼者の意思には従うべきだろう。
そして眼前に広がるのは、学術都市ダラムアトルの綺麗な風景だった。
統制されたデザインの街並み。円形状に広がっており真ん中の噴水から螺旋状的に水が広がって行って、水は魔法の効果か何かで外に行くたびに色が薄くなっていく。建っている建物は屋根は一面ごとにちゃんと色別されていて、少しずつ色が変わっているけれども全体的に統制されたデザインである。それはまさしく優美や、綺麗さを感じられる芸術的なデザインである。
……見惚れてしまっていた。その美しさは優美としか言いようが無く、地球に居た時のどんな光景よりも美しく思えた。姫も紅葉も、それからユリエル姫もその光景を美しくて惚けているようである。
「こう言う時に言うべきなんだろう。
ようこそ、学術都市ダラムアトルへ」
眼馬さんはそう言って、ニッコリと微笑んでくれていた。