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余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
そらのおちたもの
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死神と妖鳥 1

『キャハハハハハハ!』



 死神モトはそう奇声をあげながら、黒い手の複数を地面に付ける。すると大地が見る見るうちに枯れていく。木が、草が、地面が不毛の大地へとなっていく。



「……大地を! 土地を枯らすのは、悪の所業。姫として許せません」



 ユリエル姫はそう言って、右腕に持っていた刀をモトめがけて投げる。



『ウォ、イー!』



 ネヴァンの目がカメレオンのように複雑に動くと共に、視界がぼやけて、刀もまっすぐ飛ばなくなった。そしてモトとは見当違いの方向にある木に刀が突き刺さる。



「い、今のは……」



「混乱の魔法かな? でも、私に任せて! 化かし合うのは得意!」



 姫はそう言って、近くにあった葉っぱを頭の上に載せて呪文を唱えている。それを見たモトがこちらへと黒い手を伸ばして来る。



「姫、危ない!」



 僕はその黒い手を聖剣にてぶった切る。斬っても斬っても、その場から再生しているので倒した気にはなれないが、姫へ進むのだけは阻止出来ているので目的は達成されていた。



「――――――混乱の印!」



 姫が呪文を唱え終わると共に、ネヴァンの目がさっき以上にくるくると動く。しかし先程と違って、視界が揺らがない所から見ても、どうやらあれは姫の攻撃で混乱したためだろう。



「火、水、雷、土。4つのエナジーボールで、止め」



 紅葉は空中に赤、青、黄色、茶色の4色4つのエネルギーの球を作り出し、その球をネヴァンめがけて放つ。



『アゥ、イー!』



 当たると共にネヴァンを覆うように爆発が起きて、煙がネヴァンの身体を包む。



「やったか?」



「いえ。多分、まだ……」



 紅葉の言う通り、ネヴァンはその大きな黒い翼を羽ばたかせて、煙の中から出て来た。身体からは緑色の血が流れているが、少量で死んでいる訳ではないらしい。



「……追撃しましょう」



 ユリエル姫はそう言って、ネヴァンに刀を投げる。今度はネヴァンの身体に刺さり、ネヴァンは奇声をあげており、ユリエル姫は紐を引いてネヴァンへと超高速で向かって行く。



『キャハッ!』



 しかし、モトがその攻撃を許さないと言わんばかりに複数の黒い手をユリエル姫へと宙を這うようにして向かわせる。



「そうは行くか!」



 とは言っても、地面を蹴っても間に合いそうにない。いちかばちか!



「おぅ、らっ!」



 僕は聖剣を振り投げる。聖剣は一直線に、いや回転しながら途中軌道を大きく変えながら黒い手へと向かって行き、黒い手を刃で斬っていた。ユリエル姫のようにただただ真っ直ぐ、高速で投げると言うのは相当難しいようだ。最初の予定と違ってあまり数を減らす事が出来ず、まだ多くの手がユリエル姫へと迫っていた。



氷柱氷柱撃(つららひょうちゅうげき)の魔法!」



 紅葉は氷柱を作り出して、その氷柱にて黒い手の真ん中を撃ちぬいて、黒い手を倒していた。



「……紐進撃!」



 ユリエル姫はその間に、紐を手繰り寄せて彼のネヴァンの首を斬っていた。ネヴァンの首はユリエル姫の刀攻撃によって、斬り飛びて地面へと落ちて行った。



「紅葉、赤炎撃!」



 紅葉は炎の球を作り出し、それをモトめがけて放った。モトは火炎の攻撃を受けて、煙がかの身体を覆っていた。

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