姫とデート
ヒメハジメの街は沢山の露店と店が立ち並ぶ中世のヨーロッパを思わせるような街であった。最も中世ヨーロッパと違って、魔法の店やギルドと言った場所があったりとやっぱり違うようである。まぁ、異世界と言う形が良く出ている気がした。
そんな僕は姫と一緒に、この街を探索していた。まぁ、彼女から言わせて貰えればデートなのだそうけれども。
「ゆらぎん! ゆらぎん! アクセサリーを買ってよ!」
姫はそう言って道端にあるアクセサリーショップのアクセサリーを1つ持って僕に見せつけて来る。それは翡翠色の宝石が埋め込まれた金色の指輪である。お金は4000Gと言う金額だけれども、幸いな事に払えないと言う金額では無かったので、買ってあげた。
「はい、どうぞ」
「ありがとう! ゆらぎん!」
姫は嬉しそうな顔でそのアクセサリーをきらきらとした目で見つめる。そして尻尾へと近付けて、
「これ、大事にするね!」
「えっ……?」
その金色の尻尾の1本にアクセサリーが吸い込まれてしまった。そして金色の尻尾には『臨』と言う文字が浮かび上がる。
「……臨?」
「これはね! お母さんから聞いた私だけの力! この9本の尻尾にご主人様から貰った物を内包する事によって! 私は新たな力を得るの!」
「新たな力? それって……」
「そこまでは聞いてないの!」と彼女は笑って答えていた。
「けど、必ずその者の力になるとだけ! お母さんから聞いてるの!」
「だったら後8つくらいなら、いくらでも……」
「けどそれじゃあ、ダメ」
彼女は首を激しく振るう。
「こう言うのはイベントごとに集めるべきだよ! ゆらぎん!」
「そう言う物なのかなー……」
「さぁ、次の場所に行くよ! ゆらぎん!」
彼女は腕を掴んで、そのまま腕を掴まれたまま僕は次の場所へと連れて行かれたのでありました。