剣士なんてなかった
とりあえずお互いに自己紹介をし合った僕達はさっそく街に行く事にした。
街は転生した際に見つけた白い砦に覆われた都市。あの街である。
僕はリッチの紅葉、タヌキツネの姫と一緒にその街へと向かった。その際にスライムとかが戦って来たので戦闘しておいた。
「てい!」
そこら辺にあった木の棒を持ってスライムを叩くと、スライムは「きぃー……」と悲鳴をあげて倒れていた。紅葉は炎の魔法でスライムを倒し、姫は引っかいたりして倒した。何度か歩いているだけでリッチが死にかけて、姫は僕の頭に乗ったりして、見えていたのに1時間くらいかかってしまった。その代わり、少しだけレベルが上がった。
【朝比奈揺 Lv.3 種族;人間 職業;なんちゃって剣士 HP;190/200 MP;50/90
姫 Lv.2 種族;獣人(狸族と狐族のハーフ) 職業;なし HP;90/110 MP;180/210
紅葉 Lv.2 種族;リッチ 職業;魔法使い HP;60/60 MP;2980/3200】
……この『なんちゃって剣士』って、恐らく木の棒を振り回して魔物を倒したのがこの職業の理由だったりするのだろうか?
とりあえず僕達は初めの街に到着した僕達。名前を確認する。
……再び確認する。
もう一度確認する。
これ、本当にこの街の名前なのかな?
『ヒメハジメの街』
……街の名前、チェンジでお願いします。
とりあえず街の中を探索する僕達。どうやらこの街は商業都市、簡単に言うとRPGの一番最初の街みたい。道路にゴザを敷いてその上に商品を並べて売る露店が数多くひしめき合い、向こうの方には酒場やギルドの店の姿。食堂の看板もあった。
「とりあえずまずはこの街で色々と僕達のステータスをあげないと」
流石に平均Lv.2と言うのは酷過ぎると思う。いや、どれくらいなのかは知らないにしても少なくとも歩くだけで紅葉が疲れないレベルにはしようと思う。
まずはアイテムを買いに行こう。