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余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
P4'Golden-Prinsess4th-
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紅葉の魔法特訓 前篇

 (紅葉)にとって朝比奈さんに魔法を覚えて貰うと言うのは、王国で門前払いを食らわないための布石である。朝比奈さんの職業は【聖剣使い初心者】であり、呪いに(おか)されている相手は第4王女。そんな高貴な身分の姫様に近付こうとする人間には、強固な身体検査(ボディチェック)を受けるでしょう。その際に朝比奈さんの身分が【聖剣使い初心者】だったり、魔法を使えない事がばれてしまうと不味い事になってしまう。

 門前払い程度ならば問題は無い、けれどもそれが原因で国家反逆罪とでもされた時は非常に厄介。せめて魔法の1つでも使えてくれないと朝比奈さんが、私達が危険な目にあってしまう。



(あぁ、違いましたね。魔法の1つは出来ました)



 『アースソナー』。『土』属性の魔法。

 あんな魔法は私でも見た事がないから、多分あれは神様の誰かが朝比奈さんがこちらの世界に転生する際に、魔法を与えたんでしょう。と言う事は、あの魔法を使えるとしても別の魔法が使えると言う訳ではないでしょう。



(なら、本来朝比奈さんが持っている属性の魔法と『アースソナー』は違うんでしょうね)



 魔法の属性は、全部で4つ。火、水、雷、そして土の4つ。

 私は全部使えて、姫ちゃんは火を使えますが、朝比奈さんが何を使えるかは分かりません。



「と言う訳で、朝比奈さん。魔法の特訓を始めましょう」



「あ、あぁ。任せてくれ」



 今、私達はギルドの裏庭のスペースを借りて魔法の特訓を始めている。魔法を学ぼうとするためにと、1時間800Gで借りました。かなりのお金なので成果をあげないといけません。ちなみに姫ちゃんはその間にその辺りの草原で、日を受けながらスピーと眠りこけている。



 良くて1時間。悪くて2時間。その間にせめて何らかの成果を、せめて呪いの解呪を出来るくらいの人物だと思わせなければならない。そのためにもまずやる事は、朝比奈さんの魔法属性を把握しないと……。



「朝比奈さん、この紙に魔力を込めていただけませんか?」



 私はそう言って、朝比奈さんに紙を渡す。左下の隅の方に緑色のクローバーが書かれた薄黄色の小さな紙。朝比奈さんはその薄黄色の小さな紙を貰ってくれる。



「紅葉、これは……?」



「フォーマット。名前はどうでも良いですけれども、要するに魔力を込めればその人の魔法属性が分かるんですよ」



 本当はもう少し難しい、覚えにくい名前なんですけれども、それを朝比奈さんに教えても意味はないでしょうし。これの詳しい出所とか、言ったとしても意味はないように思えます。

 もう取れないし(・・・・・・・)



 残り少ないんですけど、これくらいしか使用用途がないために使うのに何も未練はありません。



「さぁ、朝比奈さん。何となくで良いので、魔力を入れようとしてください。あっ、ちなみにその際に『アースソナー』を使わないでくださいね。使ったら正確な魔法属性が分からなくなるので」



「――――――――――――――了解だ。集中する」



 朝比奈さんはそう言って、魔力を込め始めた。

 そして紙は―――――――――――

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