依頼達成
『鋼の城』に帰って来た僕と紅葉、姫の2人と1匹。姫と紅葉はテーブルで食事を始めている間に、僕は受付へと向かっていた。
「いらっしゃいませ。……あっ、朝比奈さんじゃないですか」
「ミッションをやったので確認お願いできますか?」
「それじゃあカードを見せてください」
と、手を出す受付エルフさん。
「カード?」
「私達ギルドはどんな悪いギルドであろうとも、ギルドの神である天見アバユリさんと契約をしていて、その天見アバユリがちゃんとミッションをクリア出来ているかを見ています。そのカードをこちらで処理すると、ちゃんと出来ているかどうか分かるんですよ。
と言う訳で、カードを」
へぇー。そうなんだ。ギルドってそう言う仕組みなのか。
と言う訳でこの『鋼の城』に入るために作ったギルドカードを差し出す僕。
「どうぞ」
「――――――はい。今、確認してきます」
そう言って、受付のエルフさんは中に入って行った。こちらでは見せられないんだろうか?
「……はぁ」
けど今回の依頼で色々と問題点が見えて来た。
まず聖剣と大剣を扱えるようにする事、だな。この前のヴェルモットクレイでの戦闘で聖剣を扱いづらいって事も分かったし、聖剣よりも大きくて重いこの大剣を十二分に扱えないと思うし。誰かに剣の師匠でも捕まえておかないと。
それに魔法。アースソナーは使えているけれども他の使い方も覚えていかないといけないし、それに他の魔法も教えてもらおう。紅葉にでも聞こう、かな?
最後にパーティー。僕、姫、それから紅葉の3人で動き続けていて、この異世界の人達とも交流を持たないと……。このままじゃあ3人だけになっちゃうし。このギルドで他の仲間も探さないと……。
ともかく色々と問題点が見えて来たな。この問題点を解決しないとどうにも出来ない。
「――――――あっ、朝比奈さん。今、アバユリさんにて確認してみた所、ちゃんとミッション達成した事を確認出来ました。よってあなたのランクを今よりFランク、そしてこの『鋼の城』の正式なメンバーとなりました。
ようこそ、朝比奈さん。今よりあなたはこの『鋼の城』のメンバーとなった事を嬉しく思います。では『鋼の城』のメンバーになって、何かありますか?」
エルフの女性は手を差し出して来る。どうやら挨拶みたいです。
「あ、ありがとうございます。じゃあ……若輩者ですがよろしくお願いします」
そう言って僕は差し出されたその手を握り返していた。
こうして僕は、この時に『鋼の城』のメンバーとなったのであった。