僕達の結末
これにて最終回とさせていただきます。長い間、読んで下さった皆様には感謝の言葉しか思い浮かびません。本当にありがとうございます。
表立った【勇者軍】と【教会軍】、そして【魔王軍】による戦争。裏では豆羽ユウトことユウト・フランベルとリリーベル・フランベルの大規模な兄弟喧嘩。真の意味では、ライバルの神である月裏オボロによる大勢の人間を巻き込んだ暇つぶし。そんな三重の意味が込められている、そんな戦争は月裏オボロと豆羽ユウトの消滅、そして【教会軍】と【魔王軍】による戦争の終結によって幕引きとなった。
太陽がさんさんと晴れ渡る今日この日、戦争の終結から早4か月。それは仲間内でお互いにお金を出し合って行った、それなりに豪勢な紅葉の葬式が開かれる事を示していた。元々、死人だった者の葬式とは自分の事ながら酔狂な事だとは思うけれども、それでも葬式は行わなければならないと思ったから、今日この日にて行う事にしたのである。
「ゆらぎん! 準備は出来たよ」
姫がそう言って、僕を呼びに来た。姫はあれから紅葉の分まで頑張るんだとか言って、魔法と式を組み合わせた新しい術式を開発するのに余念がないそうだ。紅葉と違って炎以外はそんなに得意ではない彼女は、かなり苦戦しているみたいだけれども。それでも楽しんでやっているみたいなので、止めてはいないけれども。
あれから色々とあった。
ユリーことユリエル・アトラシ姫はアトラシ王家として、今では礼儀や政治などを教わって、さらに姫らしくなるために頑張っていたみたいだけれども。けれども、王城での礼儀作法などよりかは、騎士団の人達との剣術の方が多かったようですけれども。
月裏ラキナエルさんは今では雷の不死鳥としての能力も持って、生粋の控えめな性格も何とかしつつも、何とか不死鳥の形を保っているみたいである。
僕はそんな皆と比べたら地味だけれども、冒険しつつも宝物を得ている生活を行っている。
戦争をする前は皆と冒険する事が多かったけれども、今、皆との冒険はほぼと言う感じでは冒険を行っている。
こうやって本格的に全員が集まったのは、1か月ぶりである。やっぱり紅葉の事は皆、好ましく思っていたようである。
紅葉の魂は今、どこにあるんだろうか? まぁ、そんな事を思いつつ、葬式の準備をやっている。紅葉の身体はもう無いので、紅葉が使っていた杖を死体に見立ててやっているのだけれども。
ちなみにリリーベルさんはアイザック・エルフィードと一緒に世直しの旅。ナギサ・クジョウはヒカロウとアリスから逃げつつ、なんとか暮らしているみたいである。
葬式。紅葉との決別を目的として、葬式を行う。けれども決別と言う事だけでは無く、これからの事も含めてだ。
「ゆらぎん? 大丈夫?」
「……あぁ、今行くよ」
僕はそう言って、姫に連れられて葬式会場へと向かった。
こんにちは。作者のアッキです。『余り物にも……福がある?』は、これにて終了させていただきます。
自分は蛇足とか、そう言った風に長くだらだらと続け過ぎても、ろくな事がありませんし、これで終わらせていただきます。ここまで長い事連載したのも初めてですし、しかも読者が沢山出来たのも初めてですので、本当に嬉しいです。
僕はチートが嫌いでしたので、こういう風な余り物とかのスキルを集めて行けば面白い作品になるかなと思っていたのですが、なかなか……。皆様が少しでも楽しめれば良いなと、心から思います。
今後の活動としましては、新作を視野に入れています。内容に関しましては、あまりチャレンジした事のないラブコメ作品を作るつもりです。
ヒロインは貞子系の髪長の怖い系のひきこもり気味の少女、Aちゃん。ある日、Aちゃんはカーテンの隙間から外を覗いた所、同じ学校のイケメンに一目ぼれしてしまう。しかし、友達もいないぼっちのAちゃんは、誰にも相談できないから、あろう事か悪魔を召喚する方法を取ってしまう。それによって召喚されたのは、バアル。元神様の、悪魔。
そんなバアルの力を借りて、Aちゃんのイケメン君を恋に落とす彼女の波乱の高校生活が始まる。
……うわぁ、ぜったいれんあいのうとかいわれるわー。だめだなー、ぼくー。
……今からこの内容を、あまり絡んでいないアマラ様に提出しようと思うのですが、大丈夫でしょうかね? これで?