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月裏オボロと戦争

「君達は本当の本当に、良い人達だよね。こっちの準備が終わって、もうそろそろ来ないかなーって思っていたんだよ。そんな時に来てくれた。君達は絶妙のタイミングで出て来てくれるし、本当に【大寿司】だよ♪」



 そう言って笑っているのは、三つ編みの金髪碧眼の深窓の令嬢風の女性である月裏オボロは、「ウフフ……♪」と笑いながら豪勢な装いの椅子に座っている。そしてその横では、生気の感じられない瞳をした、少し姿形は違うけれどもユウトに似た人物が宙に浮かんでいた。



「【寿司】ー♪ 【寿司】ー♪ 本当に君達は【寿司】だねー♪ 本当に丁度良いタイミングだし、とても良いですねー♪」



「なんでこの部屋に、月裏オボロが居るんですか……」



 僕はそう呟く。この部屋は豆羽ユウトのための部屋であり、これから豆羽ユウトとの最終決戦になると思っていたんだけれども、どうしてそんな場所に【ライバルの神】である月裏オボロがラスボスのような立ち位置にて待っているんだか……。



「何って……。わたくしがこの戦争を引き起こしたからですよ。事を起こした張本人が責任を取る。それが道理と言う物だよ。その点、とある東方の国の政府団体はそれが出来てないのが可愛くて、そこが【寿司】な所なのですけれども♪」



「引き起こした……?」



「……どう言う意味でしょうか?」



 姫とユリーの2人が月裏オボロの顔を見つつ、そう質問を返す。



「この戦争は元々わたくしが提案して、念密に準備をして来たんだ。自分の眷族に頼み込んで、ユウト・フランベルとリリーベル・フランベルの2人を作り上げた。そしてひょんな気まぐれですけれども、ユウトを勇者、リリーベルを魔王として祭り上げて、戦争を引き起こしたんだ。

 だから戦争を引き起こしたのはわたくしであり、責任を取るのもこっちなんですよ?」



「戦争を自ら引き起こすだなんて……。そんな人間界への重大な関与、認める訳には参りません……」



 月裏さんはそう神の立場として提言する。月裏さんのその言葉に、月裏オボロは「ハハハ……!」と笑いつつ手を叩く。



「――――――――だって、つまらないでしょ? 世界は待っているだけでは、変わりはしないよ。君だってこの世界にそんな姿で干渉してるじゃないか。十分、それも神としては可笑しいけどね。

 わたくしは暇だからそう思った。ただそれだけですよ。【寿司】な世界にするためには、こちらから動かないといけないよ」



「ひ、暇だから……か」



 どんな大層な事を思っているかと思ったら、そんな暇だからなんて……。



「【寿司】! 【寿司】! 【大寿司】!

 世界を面白おかしく、【寿司】な世界にするためにわたくしは動いている! 【ライバルの神】の月裏オボロとして、ライバル同士の楽しい、楽しーい【大寿司】な戦いを見るのに一番良い方法は戦争であり、それの一番の特等席がここなんですよ?」



 「だから、ここに居るんですよ♪」と楽しそうに、月裏オボロはそう言った。



「けれどもどうして豆羽ユウトが、宙へと飛んでいるんだか……」



「何せ、彼が合体してしまったのがこちらで用意しておいた、偽りの神だからだよ♪ 良い展開になって、本当に【寿司】だよー♪」



 と、月裏オボロはそう申していた。

【月裏オボロ】

 自分から行動しない限りは、何も起きないよ♪ まぁ、そんなだらけた人も、だらけていない人も、【大寿司】♪

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